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介護ロボットって実際どうなの?普及状況や今後の見通し、メリットと注意点

この記事では、今注目されている介護ロボットについて、普及状況や今後の見通し、ロボットの種類などを紹介しています。
介護福祉に関連するロボットに興味のある方は確認をどうぞ!

介護ロボットとは

必要な理由

介護業界は、少子高齢化の進行に伴う介護事業所の急激な増加や、離職率の高さなどから、慢性的な人手不足の状況となっています。

それに対応するため、政府による介護職員の処遇改善や外国人労働者の受け入れなど、さまざまな方法で介護人材の確保を進めています。
また介護従事者の身体・精神的負担の軽減を目的に、介護ロボットの推進も進められており、今や多くの介護事業所で活用されているのが現状です。

介護ロボットとは

介護ロボットというと、手足があり人型で二足歩行する姿を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?

でも実際は人形のような形というくくりがあるわけではなく、介護従事者の負担が軽減できる機器のことをいいます。
具体的には介護従事者の負担となりがちな、以下のような支援を行ってくれるものを指します。

・乗り移りの介護
・移動の介助
・トイレ誘導など排せつ関連の介助
・見守り等の支援
・入浴関連動作介助

最近は各自治体から導入経費の補助などもあり、介護ロボット使用による介護従事者の負担軽減は一般的なものとなっているのです。

介護ロボットの普及状況と今後の見通し

介護の現場において、ロボットが活用され始めてから一定の年数が経過していますが、実際の普及状況はどうなっているのでしょうか?

介護ロボットの普及状況

【ロボットの導入状況】

機具の種類 導入率
見守り・コミュニケーション(施設型) 3.7%
入浴支援 1.8%
移乗介助(装着型) 1.5%
介護業務支援 1.3%
移乗介助(非装着型) 0.7%
見守り・コミュニケーション(生活支援) 0.6%
移動支援(屋内型) 0.3%
移動支援(屋外型) 0.2%
見守り・コミュニケーション(在宅型) 0.2%
移動支援(装着型) 0.1%
排せつ支援(排せつ物処理) 0.1%
排せつ支援(トイレ誘導) 0.1%
排せつ支援(動作支援) 0.1%
その他 0.5%
いずれも導入していない 80.6%

「参考:介護労働安定センター 令和2年度介護労働実態調査 結果報告書」

普及率は、上記のとおり全体的にみて非常に低く、まだまだ介護の現場で活用されている事例は少ないといえます。

介護ロボット 今後の見通し

介護ロボット普及率は非常に低くなっていますが、その背景にはどのような課題や問題があるのでしょうか?

課題や問題

【ロボット導入や利用についての課題・問題】

1.導入コストが高い 60.5%
2.投資に見合うだけの効果がない 40.0%
3.誤作動の不安がある 34.5%
4.技術的に使いこなせるか心配である 33.6%
5.設置や保管等に場所をとられてしまう 33.2%

参考:介護労働安定センター 令和2年度介護労働実態調査 結果報告書

やはり導入コストが高いという問題が、普及率の低さに影響を与えていることが分かります。
また導入後しても使いこなせるかどうか不安であるという意見も多いようです。

今後の見通し

厚生労働省は、急速な高齢化による介護人材不足を大きな課題としており、その対策の一つとして質の高い介護を実現するためのロボット技術の活用を進めています。

具体的には、

1.ロボット技術を活用した福祉機器開発の促進
2.介護現場への介護機器の周知
3.介護ロボットの体験機会の創出
4.介護ロボット導入時の費用補助

など活用が期待されています。

普及率はまだまだ低いものの、活用への取り組みは積極的に行われており、今後は普及率の向上が予想されます。
期待の大きい介護ロボットですが、では実際にどのような種類があるのでしょうか?
ここからは、ロボットの種類やそれぞれのメリット、注意点などを紹介していきます。

介護ロボットの種類

見守り支援

ロボットの概要

見守り支援ロボットは、センサーやカメラなどによって要介護者の状況を確認し、支援者へ知らせる等によって、要介護者の安全な生活を確保する機器です。
さらに見守りができるだけでなく、要介護者に声掛けをしてくれるコミュニケーション機能が付いたものも普及しています。

メリット

これまで一人で過ごすことの難しかった要介護者が、安全に安心して過ごせるとともに、支援者も安心して仕事や外出に出かけられたり、要介護者の傍から離れることができたりするメリットがあります。

注意点

見守りは可能ですが、緊急時には訪問する必要があり、場合によって間に合わないことがあります。
また頻繁な呼び出しが発生する場合は、支援者の負担が増える可能性も考えられるため、使い方の工夫が必要になるかもしれません。

普及状況や今後の見通し

見守り・コミュニケーション機具には、施設型、生活支援、在宅型などの種類があり、普及率に差があります。
それぞれの普及率は、

・施設型  3.7%
・生活支援 0.6%
・在宅型  0.2%

「参考:介護労働安定センター 令和2年度介護労働実態調査 結果報告書」

となっており施設型の普及率が高くなっています。
特に施設型の入所施設サービス内での普及率は、16.6%とさらに高く、全介護ロボットのなかでも、もっとも普及しており、今後も特に普及が期待されています。

移乗介助

ロボットの概要

移乗介助とは、車いすやベッド、トイレ間の乗り移りの介助のことで、支援者にとっては身体的に非常に負担のかかる介助の一つです。
移乗介助機具は、この移乗介助の肩代わりや負担軽減を行う機器で、支援者の負担を大きく軽減できる介護ロボットです。

メリット

支援者の身体的負担を軽減するとともに、二人介助が必要だった方に一人で介助できるようになれば、一人のスタッフが他の仕事や利用者の見守りにまわることができ、人員確保にも効果を発揮します。

注意点

力が必要な移乗介助を行う機器だけに、サイズが大きく、使用するためには操作を覚えるなど“慣れ”が必要です。

普及状況や今後の見通し

移乗関連の機具には、装着型と非装着型があり、それぞれ、

・装着型  1.5%
・非装着型 0.7%

と全体と比べると普及率は低くないとはいえ、まだまだ普及しているとはいえない状況です。
移乗は負担が大きい介助なので、今後さらに普及が進んで欲しい機具の一つですね!

入浴支援

ロボットの概要

入浴も支援者にとって非常に負担の大きい介助の一つです。
入浴支援機具は、入浴介助のなかでも、介助負担が大きい浴槽への出入りを支援することを目的とした機器が多い傾向です。

メリット

入浴の支援は、支援者の負担が大きいことに加え、滑りやすさなどもあり、危険が大きい介助項目です。
入浴支援機具の活用により、支援者の負担軽減はもちろん、安全な入浴を確保することができます。

注意点

操作に慣れが必要な機器も少なくなく、転倒や溺水の危険もある入浴だけに、安全に使用するために、正しい使い方を理解する必要があります。

普及状況や今後の見通し

入浴支援ロボットの普及率は1.8%ですが、施設系サービス内では5.9%と比較的高い普及率を示しています。(令和2年度介護労働実態調査より)
今後も施設を中心に普及率の向上が見込まれています。

そのほかにも、移動支援や排せつ支援など多くの介護ロボットがあり、まだまだ普及率は低いものの、すでにさまざまな施設で活躍しており、今後の普及に期待したいところです。

まとめ

今回は今注目されている介護ロボットについて、普及状況や今後の見通し、種類などを紹介しました。
この記事をまとめると以下のようになります。

この記事のまとめ

  • 介護ロボットとは、乗り移りや移動、見守り等を行う、介護従事者の負担を軽減する機器のことである。
  • 普及率は、もっとも普及している見守り・コミュニケーション(施設型)機具でも3.7%と非常に低く、まだまだ現場での活用事例は少ない。
  • 普及率が低い理由には、導入コストが高い、使いこなせるか不安などが多い。
  • 各ロボットには注意点もあるが、介護従事者の負担を軽減するメリットは大きく、今後普及率の向上が期待される。

見守り支援や移乗介助支援など便利なロボットがたくさんあり、今後さらに普及すると嬉しいですね!

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