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グループホームと老人ホームの違いは?入居条件や費用、サービス内容などを比較しました
介護保険において認知症の方が住み慣れた地域で安心して生活するための選択肢として『グループホーム』が挙げられます。
この記事ではグループホームについて解説し、一般的な老人ホームとの違いについて解説します。
目次
グループホームとは
グループホームの特徴は以下の通りです。
特徴 | ・少人数での共同生活(地域密着型サービス) ・認知症の方が地域で生活できるように援助 |
---|---|
規模 | 最大18名(5~9名での2ユニットが最大) |
入居者の特徴 | ①年齢:原則65歳以上 ②要介護度:要支援2~要介護5まで ③認知症の診断を受けている ④施設の所在地と同じ地域に住む人 ⑤比較的自立度が高い ⑥高度な医療ケアを必要としない |
入居のしやすさ | 住み慣れた地域かつ少人数で生活するため比較的落ち着いて安心して生活できることが特徴。 |
主な運営母体 | 営利法人、社会福祉法人、医療法人など |
退去条件 | 症状の悪化などにより共同生活が難しくなった場合 |
グループホームの入居対象になる人とは
グループホームの入居対象には4つの条件があります。
①原則年齢が65歳以上
グループホームは原則として65歳以上の人が対象です。ただし例外として、特定疾病により要介護状態に認定された40歳〜64歳の方(第2号被保険者)の方も対象となります。
②要介護度
グループホームを利用するには『一定以上の介護認定』を受けていることが必要です。要支援2、及び要介護1〜5の人が対象になります。
③認知症の診断をうけている
グループホームは、認知症に特化した施設です。利用するためには医師から認知症の診断を受けている必要があります。
④住民票がグループホームの所在地と同じ
グループホームのサービスは『地域密着型サービス』に分類されます。地域密着型サービスは、住み慣れた地域で安心して生活をするという目的のもと、運営されているサービスです。
原則として、入居にはグループホームがある市町村に住民票があることが条件となります。
グループホームで受けられるサービス
グループホームは少人数で共同生活を行いながら、さまざまな介護サービスを受けることが可能です。
サービス内容は施設によって違いがあるので、事前に必ず確認しましょう。
生活支援
グループホームでは、以下のような基本的な生活支援を職員が行います。
掃除
洗濯
排せつ介助
グループホームは比較的生活の自立度が高い利用者が生活するため、あくまで利用者ができない部分をスタッフがお手伝いするということが多いです。
認知症ケア
グループホームでは脳トレなどのレクリエーションやリハビリテーションなど、認知症の進行を遅らせるために脳への刺激効果の高い取組みが行われます。
地域で行われるイベントへの参加や、幅広い世代との交流もケアに含まれます。
医療・看護
服薬や日々の健康管理、通院補助などを行います。
ただし、施設によっては必ずしも医療体制が整っているとは限らないため、専門性の高い医療が必要な場合は他の施設に移る必要もあります。
看取り
まだまだ体制は整っていない施設が多いですが、最近は看取りサービスを行ってくれる施設も増えています。
老人ホームとは
グループホームとよく比較されるのが、有料老人ホームです。
住宅型有料老人ホーム
健康型有料老人ホーム
老人ホームは以上の3つに分類されており、状態や予算、希望する生活スタイルによって入所する施設を選ぶことになります。
介護付き有料老人ホームとは
介護付き有料老人ホームは24時間介護スタッフが常駐し、施設内で手厚い介護を受けながら生活できる施設です。
普段から日常生活に介護が必要な方に向いている施設といえます。
【介護付き有料老人ホームの特徴】
特徴 | ・介護スタッフが24時間常駐し、手厚い介護を受けられる |
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入居条件 | ・65歳以上または第2号被保険者 ・要支援1~要介護5まで ・施設内で対応可能な医療的ケア |
受けられるサービス | ・食事、入浴や排せつなど ・機能訓練 ・家事、買い物代行などの生活支援 ・各種医療管理 |
退去条件 | ・入院等で生活が困難になった場合 |
住宅型有料老人ホームとは
住宅型有料老人ホームとは、生活支援がついた高齢者向け老人ホームです。
利用者の状況によって外部サービスを組み合わせられるので、1人1人の状態に合わせて自由度の高い生活ができる施設といえます。
【健康型有料老人ホームの特徴】
特徴 | ・入居される方の状態は施設の特色によりさまざま ・自立型、介護専用型、混在型の3つが存在する |
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入居条件 | ・60歳、または65歳以上の高齢者 ・要支援1~要介護5まで |
受けられるサービス | ・基本的に介護サービスの提供はなし (必要な場合外部サービスを使用) ・食事や掃除、見守りなどの生活支援 ・娯楽設備がある場合も |
退去条件 | ・施設での生活が困難になった場合(入院等) |
健康型有料老人ホームとは
健康型有料老人ホームは、介護を必要としない自立した高齢者を対象とする施設です。
専門的な医療ケアや日常生活に介護を必要とされている方は対象外ですが、その分アクティビティをはじめとした、さまざまなオプションサービスが充実しているというメリットもあります。
一方、他の老人ホームと比較して費用が高額になる傾向もありますので、利用の際は充分に検討が必要です。
【健康型有料老人ホームの特徴】
特徴 | ・自立度が高い高齢者 ・外部サービスが充実 ・施設によって費用が高額な傾向 |
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入居条件 | ・60歳以上の自立高齢者 |
受けられるサービス | ・家事代行(食事や洗濯など) ・アクティビティ活動(イベントなど) ・生活支援、相談サービス |
退去条件 | ・身体機能の低下などにより施設での生活が困難になった ・他利用者への迷惑行為など |
グループホームと老人ホーム 費用の違い
グループホームと老人ホームの特徴や入居条件について解説しましたが、やはり気になるのは費用の部分です。
ここでは、グループホームと各老人ホームの費用を『初期費用』と『月額費用』に分けて比較していきます。
施設 | 初期費用 | 月額費用 |
---|---|---|
グループホーム | 0~最大数百万円 | 10~20万円 |
介護付き有料老人ホーム | 0~最大数億円 | 15~30万円 |
住宅型有料老人ホーム | 0~最大数千万円 | 10~25万円 |
健康型有料老人ホーム | 0~最大数千万円 | 10~40万円 |
初期費用
グループホームと老人ホームでは、入居一時金(または保証金)という初期費用が必要になります。入居一時金は不動産契約における敷金に該当するもので退去後の原状回復や家賃を滞納した際の補充に使われます。
施設によって初期費用は大きく異なり『数万円〜数百万円』と開きがあります。
一定期間内に退去した場合、入居一時金は返還金を受けられることが多いので、どのように返還されるのかあらかじめしっかりと確認しておきましょう。
【初期費用の相場】
グループホーム:比較的安価に設定されている事が多い
有料老人ホーム:施設によって費用の差が大きい
月額費用
月額費用の内訳は賃料や光熱費、食費といった生活費にくわえて介護サービス費やサービス加算などがかかります。
費用相場としては15万円〜30万円程度が一般的ですが、より多くの介護サービスが必要な方や、介護が充実している介護付き有料老人ホーム等はより高額になる傾向があります。
グループホームのメリットとデメリット
グループホームのメリットとデメリットは以下の通りです
メリット | ・認知症に対して専門的なケアが行われる ・住み慣れた地域で落ち着いた生活ができる |
---|---|
デメリット | ・同じ市町村にある施設しか利用できないため選択肢が狭い ・認知症に加えて医療的措置が必要な場合利用が難しい ・定員数が少ない |
グループホームの最大のメリットは、認知症に対して専門的なケアを受けられるという点です。
専門スタッフが所属しているため、認知症の進行を抑えるケアを受けたり、認知症と付き合いながら自立に近い生活を送ることが可能です。
一方、地域密着型サービスであること、施設の定員数が少ないため希望の施設へ入居することが難しいという点がデメリットとして挙げられます。
老人ホームのメリットとデメリット
メリット | ・状態や目的に合わせて幅広い選択肢がある ・イベントやレクリエーション等が豊富にある ・居室や設備についての選択肢が豊富(夫婦で入居など) |
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デメリット | ・費用が高くなる傾向がある |
老人ホームは、手厚い介護のある介護付き有料老人ホームから自立した方が生活する健康型有料老人ホームまで、幅広いサービスの選択肢があります。
利用者の方が安心して生活できる施設を探しやすいことがメリットです。
一方、サービスが充実しているぶん初期費用と月額費用が高くなる傾向がありますので、予算に合わせて検討を行うことが重要です。
まとめ
グループホームと老人ホームの違いをご紹介しました。
それぞれにメリット・デメリットがあるので、利用者ご本人の状態や希望に合わせて選ぶのが大切です。
この記事のまとめ
- グループホームは住み慣れた地域で落ち着いて生活できるメリットがあるが、同じ市町村にある施設しか利用できないため選択肢が狭くなりやすい
- 状態や目的に合わせて幅広い選択肢があるが、費用が高額になりやすい
- 予算や状態、希望する生活スタイルに合わせた施設選びが重要になる