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介護従事者の処遇状況等調査結果を解説!介護職員等ベースアップ等支援加算は?給料は上がった?
処遇改善加算やベースアップ加算などの制度ができ、最近は介護従事者の処遇が改善されつつあると言われていますが、実際はどうなのでしょうか?
この記事では、厚生労働省が行った「令和4年度介護従事者処遇状況等調査」の結果をもとに、介護従事者の処遇改善について解説しています。
処遇改善状況について知りたい介護職の方はぜひ確認してみてください。
目次
介護職員の処遇改善にはどのようなものがある?
まずは介護職員の処遇改善制度の種類を紹介します。
介護職員処遇改善加算
介護職員処遇改善加算は、介護職員の賃金改善や職場環境の向上を目的とした制度です。
国が設定した要件を満たした介護事業所は、この制度を通じて追加の費用を得られます。
また、この制度により得られた費用は、賃金改善の目的で介護職員に還元することに決まっています。
手当は、処遇改善手当等として毎月の給料に上乗せする形か、または一時金として支給されることが一般的で、どのように支給されるかは各施設や事業所に委ねられています。
介護職員特定処遇改善加算
介護職員特定処遇改善加算も介護職員の賃金改善等を目的とした制度です。
処遇改善加算との違いは対象職種の違いです。
処遇改善加算は全介護職員を対象としていますが、特定処遇改善加算は、おもに経験や技能の優れた介護職を中心に処遇の改善を行う制度となっています。
介護職員等ベースアップ等支援加算
介護職員等ベースアップ等支援加算は、介護職員の待遇向上を目指すための追加給付制度であり「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」の一部として設立されました。
この加算は、令和4年2月に始まった「介護職員処遇改善支援補助金」を基盤としてつくられ、個々の介護職員の収入を約3%(月額約9,000円)増加させることをおもな目的としています。
このように介護職にはいくつもの処遇改善策により待遇改善が図られています。
では実際に介護職の待遇は改善されているのでしょうか?
ここから介護職の処遇改善状況について「介護従事者処遇状況調査」を参考に解説していきます。
介護従事者処遇状況等調査とは?
それではまず介護従事者処遇状況等調査について簡単に説明します。
この調査は、介護従事者の処遇の状況と、処遇改善加算や介護職員等ベースアップ等支援加算の影響等の評価を行うとともに、よりよい介護報酬改定のための情報を得ることを目的として実施されています。
令和4年度は特に、介護職員処遇改善支援補助金及び介護職員等ベースアップ等支援加算の影響等の評価を行うことをおもな目的としています。
調査対象はその年によって変わりますが、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、訪問介護事業、通所介護事業、小規模多機能型居宅介護事業所など介護保険施設やサービス全般に在籍する介護従事者等となっています。
調査項目は、給与等の状況、介護職員処遇改善加算等の届出の状況、給与等の引き上げ以外の処遇改善 状況等です。
介護従事者処遇状況等調査結果ポイント解説!
それではここから調査結果について説明していきます。
なお調査結果のポイント解説は、厚生労働省 令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果を参考にしています。
処遇改善にかかる加算等の取得状況は?
まずは介護職の処遇改善に関する加算の取得状況を紹介します。
介護職員等ベースアップ等支援加算・処遇改善支援補助金
ベースアップ等支援加算を取得している事業所は91.3%、処遇改善支援補助金を取得している事業所は88.7%となっており、多くの事業所が取得している状況です。
介護職員処遇改善加算
介護職員処遇改善加算を取得している事業所は、全体の94.5%とほとんどの事業所が取得している状況となっています。
介護職員等特定処遇改善加算
介護職員等特定処遇改善加算は、体の75.0%が取得しており、ベースアップ等支援加算や処遇改善加算に比べると取得率が低くなっています。
介護職の給与は実際アップしている?
介護職にはさまざまな処遇改善制度が用意されていますが、介護職の給与は実際アップしているのでしょうか?
調査によると、令和4年2月~令和4年12月31日間の、おもな介護サービス施設・事業所の給与の状況は以下のようになっています。
給与等の引き上げ状況、サービス種類別
サービス名 | 給与等を引き上げた | 給与等を引き下げた | 今後1年以内に上げる予定 | 今後1年以内に上げる予定なし |
---|---|---|---|---|
介護老人福祉施設 | 92.3% | 0.2% | 3.0% | 3.4% |
訪問介護 | 74.8% | 0.4% | 8.7% | 12.3% |
通所介護 | 79.1% | 0.9% | 8.9% | 8.9% |
特定施設入居者生活介護 | 90.5% | 0.1% | 3.6% | 3.6% |
グループホーム | 87.2% | 0.0% | 5.0% | 4.8% |
全体 | 80.5% | 0.5% | 7.2% | 8.7% |
介護老人福祉施設や特定施設入居者生活介護は、90%を超える施設で給与等を引き上げています。
一方で訪問介護や通所介護の給与引き上げ率は、全体よりも低い数値となっており、厳しい現状が見えてきます。
とはいえ全体では80%以上の事業所で給与アップが図られており、実際に介護職の給与が上がっていることは間違いないでしょう。
では、実際にどの程度の額、給与がアップしているのでしょうか?
加算を受けることでどのぐらい給与がアップしているの?
以下は介護職員等ベースアップ等支援加算を取得している事業所の、加算を受ける前と後の平均給与の差です。
【介護職員の平均給与】
令和3年12月 | 令和4年9月 | 差 | |
---|---|---|---|
平均給与額 | 300,740円 | 318,230円 | +17,490円 |
介護職員の給与は+17,490円とかなり上がっていることがわかります。
なお給与アップは加算によるアップ以外の賃金も含まれています。
どのような職種がアップしている?
ベースアップ等支援加算は、介護職以外の介護従事者も受給の対象となっています。
他の職種の平均給与は上がっているのでしょうか?
なおこちらも介護職員等ベースアップ等支援加算の受給事業所を対象としています。
【介護従事者の平均給与額】
令和3年12月 | 令和4年12月 | 差 | |
---|---|---|---|
介護職員 | 300,740円 | 318,230円 | 17,490円 |
看護職員 | 354,790円 | 372,970円 | 18,180円 |
生活相談員等 | 326,640円 | 342,810円 | 16,170円 |
PT・OT等 | 342,740円 | 355,060円 | 12,320円 |
ケアマネジャー | 347,950円 | 362,700円 | 14,750円 |
以上のように、介護職員以外の職種も12,000円〜18,000円程給与がアップしています。
まとめ
この記事では、厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査」の結果をもとに、介護従事者の処遇改善について解説しました。
この記事をまとめると以下のようになります。
この記事のまとめ
- 介護職員の処遇改善制度には、介護職員処遇改善加算、介護職員等特定処遇改善加算、介護職員等ベースアップ等支援加算などがある。
- 処遇改善にかかる加算は多くの事業所が受給しており、令和3〜4年の1年間で、平均17,000円を超える額の給与アップがされている。
- 介護職員以外の介護従事者も、平均12,000円を超えて給与がアップしている。
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