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令和6年(2024年)介護報酬改定のポイントを解説!働く人や利用者への影響は?
いよいよ令和6年度(2024)の介護報酬改定も近づいてきましたね!
介護保険は、通常3年ごとに介護保険サービスの報酬改定が行われており、2024年が今回の改定年となっています。
この記事では、2024年介護報酬改定のポイントや、報酬改定による働く人や利用者の方への影響をわかりやすく解説します。
今回の報酬改定のポイントを知りたい方はぜひ参考にしてください。
目次
介護報酬改定の背景
介護報酬の改定は、3年ごとに行われることになっており、2024年は改定の年です。
また一部のサービスを除いて、例年どおり2024年4月1から施行の予定となっています。
介護報酬が定期的に見直される理由は、
・ニーズに合った介護サービスの質を確保する
・働く人の労働環境改善
・国の介護対策や方針を反映させる
などのためです。
2024年の改定では、
・自立支援や重度化予防の対応の充実
・働きやすい職場づくり
・制度の安定と持続
などを中心に報酬改定が行われます。
2024年介護報酬改定のポイント
それではここから、2024年の介護報酬改定のポイントを一つひとつ解説していきます。
改定の内容は、
1.地域包括ケアシステムの深化、推進
2.自立支援・重度化防止に向けた対応
3.良質な介護サービスの効率的な提供に向けた働きやすい職場づくり
4.制度の安定性・持続可能性の確保
の4つのポイントに分けて説明します。
なお、ここでの内容は「厚生労働省:令和6年度介護報酬改定の主な事項について」を参考にしています。
詳しい内容を知りたい方は上記の資料をご確認ください。
1.地域包括ケアシステムの深化・推進
地域包括ケアシステムの深化・推進を目指して、おもに以下の具体的な方策が見直される予定です。
- ケアマネジメントの見直し: 特定事業所加算を見直し、質の高いケアマネジメントを行うための措置を実施します。
- 看取りや重度者、山間地への対応の評価: これらの対応を行っている事業所を評価し、適切な加算を行います。
- 医療と介護の連携強化: 医療と介護の連携を強化し、それに関連する加算を充実させます。
- 感染症や災害への対応力強化: 高齢者の安全を守るため、感染症や災害への対応力を向上させます。
- 高齢者の虐待防止の推進: 虐待を防ぐための取り組みを強化します。
- 認知症への対応力の向上: 認知症に対するケアの質を向上させるため、取り組みに対して加算で評価します。
- 福祉用具の選択制導入: 一部の福祉用具について、貸与と販売の選択制を導入し、利用者の選択肢を広げます。
これらの改定は、地域に住む高齢者の方々が質の高いサービスを受け、住み慣れた地域で安心して暮らせることを目指しています。
2.自立支援・重度化防止に向けた対応
高齢者の方々が自立した生活を継続できるように、自立支援と重度化予防に向けた対応が重点的に改定されます。
以下はおもな対応内容です。
- リハビリテーションと機能訓練の推進: 高齢者の機能維持や向上のため、リハビリテーションや機能訓練を一体的に推進します。
- 入浴介護の自立支援: 通所介護などでの入浴介護において、自立に向けた取り組みを評価します。
- 在宅復帰と在宅療養支援の促進: 介護老人保健施設において、在宅復帰や在宅療養支援を積極的に推進します。
- LIFE(科学的介護情報システム)の活用: 高齢者のケアにおいて科学的な情報を活用し、質の高いサービスを提供します。
これらの改定は、高齢者の方々が住み慣れた地域で自立して暮らせるようにサポートすることを目指しています。
3.良質な介護サービスの効率的な提供に向けた働きやすい職場づくり
働きやすい職場づくりに向けて、介護職員の処遇改善加算の改定を中心に、おもに以下のような改定が予定されています。
- 処遇改善加算の一本化: 処遇改善加算、特定処遇改善加算、ベースアップ加算を一本化し、シンプルで効率的な処遇改善を実現します。
- 処遇改善加算の加算率引き上げ: 介護職員の報酬を向上させるため、処遇改善加算の加算率を引き上げます。
- 安全と負担軽減の方策検討委員会の設置: 利用者の安全と職員の負担軽減に関する方策を検討するための委員会を設置することを義務づけます。
- 介護ロボットとICTの推進: 技術の活用により効率的な介護を実現するため、介護ロボットや情報通信技術(ICT)の導入を推進します。
- 介護支援専門員の取扱件数の変更: 居宅介護支援において、介護支援専門員の一人当たりの取扱件数を見直します。
これらの改定は、介護職員の働きやすさと利用者の安全を両立させるために行われます。
4.制度の安定性・持続可能性の確保
介護保険制度が安定して持続できるように、評価の適正化や重点化、報酬体系の整理が行われる予定です。
具体的にはおもに以下の点が挙げられます。
- 同一建物等居住者へのサービス提供の見直し: 同じ建物に住む利用者に対する訪問介護のサービス提供について報酬の適正化を行います。
- 短期入所長期利用者の報酬の適正化: 短期入所で長期利用している利用者の報酬単価について、施設入所と同等の利用となることから、施設入所の単価とのバランスを調整します。
- 同一建物居住者のケアマネジメント報酬の調整: 同じ建物に住む利用者のケアマネジメント報酬について、業務の実態を踏まえた評価へ調整します。
- 多床室の室料負担の導入: 介護老人保健施設等において、多床室の利用者に対する室料負担を導入します。
- 定期巡回と随時対応型訪問介護看護の報酬見直し: 定期巡回と随時対応型の訪問介護看護の報酬について、実態に合わせて、新たな区分を設けます。
- 運動器機能向上加算の基本報酬への包括化: 運動器機能向上加算について、報酬体系の簡素化のため基本報酬に組み込みます。
これらの改定は、介護保険制度の持続可能性と利用者の適切なサービス提供を目指して行われます。
ここまで、2024年の介護報酬改定の全体的なポイントを解説しました。
では介護事業所で働くスタッフや利用者の方にはどのような影響があるのでしょうか?
働く人や利用者の方への影響は?
ここでは、2024年介護報酬改定の働く人や利用者の方への影響について解説します。
働く人への影響
まずは介護施設等で働くスタッフへの影響から説明します。
介護職員の賃金はアップするかも!
介護職員の処遇改善にかかる加算は一本化されるため、事務作業の負担軽減が期待でき、多くの事業所が加算を取得しやすくなります。
また、配分の仕方も自由度が上がるため、介護職以外のスタッフも恩恵を受けられることになりそうです。
また処遇改善加算の加算率も全体的にアップする見込みで、賃金アップの可能性はあると言えるでしょう。
働きやすい環境になるかも?
ICTの導入や、スタッフの負担軽減のための委員会設置の義務付けなども進められるため、働きやすい環境が整えられていく可能性が高いでしょう。
今回の改定では、全体的に見て働くスタッフにはプラスの面が多いのではないでしょうか?
利用者の方への影響
つづいて利用者の方への影響を紹介します。
サービスの質が向上する
今回の改定では、地域連携の充実、感染や災害および虐待防止の取り組み、認知症への取り組み、自立支援・重度化予防の推進など、利用者の方にとってサービスの質が向上する対策が多く挙げられています。
例えば、入浴介護で自立への取り組みが評価されるなど、具体的なサービス向上につながる改定もみられ、サービスの質の向上は期待できるでしょう。
利用料は若干上がるかも
今回の改定は、2%以上のプラス改定で、過去2番目に高い改定率と言われており、事業所やスタッフにとってはプラスとなります。
しかし、報酬が上がるということは、利用者負担は若干高くなる可能性があります。
以上のように、働くスタッフや利用者の方にとって、それぞれ異なる影響を及ぼすことが考えられますが、全体的にプラス面が大きいと感じられます。
まとめ
この記事では、2024年の介護報酬改定について、改定ポイントに加えて、働く職員や利用者の方への影響をわかりやすく解説しました。
この記事をまとめると以下のようになります。
この記事のまとめ
- 2024年の介護報酬改定では、おもに「地域包括ケアシステムの深化、推進」「自立支援・重度化防止に向けた対応」「働きやすい職場づくり」「制度の安定性・持続可能性の確保」の4点について見直しが行われている。
- 働く職員には、賃金アップの可能性、働く環境の改善が期待できる。
- 利用者の方にとっては、サービスの質の向上が期待できる一方、若干ではあるが利用料の増加の可能性も否定できない。
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