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収入は減っても精神的な余裕ができました~5年半の沖縄スローライフ

沖縄で新しい生活を始めたいあなたへ

はじめまして、chirinと申します。
私は「環境を変えて新しい生活を始めたい」そんな気持ちで沖縄に移住しました。
美しい自然と海に囲まれた沖縄で新生活を送ってみたいと思った時、気になるのはどのような準備が必要になるのかという点だと思います。
この記事では私の体験も交えて、沖縄移住のためにやったことや具体的な準備、実際に住んでみて分かったことをまとめてみました。

沖縄移住のメリット~私の経験から

沖縄に限らず移住における最大のメリットは、職業や人間関係を全てリセットして新たな気持ちで生活できるということではないでしょうか。
沖縄のきれいな海や気候に囲まれて暮らしたいと思っている方も多いかと思います。
後にご紹介しているように内地とは違う不便さもありますが、沖縄は手の届く範囲で生活していこうというシンプルライフにはぴったりな土地です。
海だけでなく緑も豊富なので、身近なところでさまざまな自然に触れられるのもポイントです。

沖縄移住のデメリット~私の経験から

沖縄の公共交通機関はバスとモノレールしかないので、ほとんどの人は自家用車を移動手段にしています。
都会で暮らしていると車の必要性をあまり感じないものですが、沖縄では自家用車は必須アイテムです。
ある程度の運転スキルがないと沖縄生活は厳しいかもしれません。

また、沖縄は物価や家賃が安いイメージがありますが、市街地の生活費は内地とほとんど変わりません
逆に住む場所や買い物するお店を選べば、内地よりかなり安価に生活できるということでもあるので、事前のリサーチがとても重要です。

都市部にすむインドア社会人が移住を決意するまで

沖縄暮らしになんとなく憧れを抱いているものの、本当に暮らしていけるのか不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
ここでは、私が沖縄移住を考えたきっかけや移住に向けて行ったことをまとめてみました。

海より山、アウトドアよりインドアだった内地時代

沖縄移住を考える方は元々ダイビングやアウトドア好きで、沖縄の自然に魅了されたというタイプが多いイメージがありますが、私はどちらかというとその逆をいく生活スタイルでした。

当時は大阪で一人暮らしをしており、平日はとある公共団体の事務方としてデスクワーク中心の仕事をしつつ、休日はパソコンでゲームをしたり映画を観たり、ときにはひとりで山歩きやキャンプに出かけるという、典型的な『おひとりさま』タイプだったと思います。

沖縄移住を考え始めたきっかけは祖父母の入院から

両親が沖縄出身ということもあり、年に数度は沖縄に行っていましたが、私自身は内地育ちで、当初は沖縄に住むことは考えていませんでした。
しかし沖縄の祖母が入院して、生活に不自由しているのを知った時に、いっそ沖縄に引っ越して祖父母の介護に携わるのも良いのではという考えが浮かんだのです。

当時の私は仕事も私生活もそこそこという低空飛行を維持しており、平穏といえば平穏ですがなんとなく閉塞感を抱えてもいました。
環境をがらりと変えて新しい生活を始めたいという気持ちと沖縄移住がぴったりマッチしたような気がします。

沖縄移住の準備

車の運転に慣れるのが沖縄移住の第一歩

沖縄で生活するにあたり、最優先で身につけておかなくてはいけないのは車の運転スキルだと思います。
当時、大阪の市街地に住んでいた私は典型的なペーパードライバーで車の必要性は全く感じていませんでしたし、沖縄に行った時も親戚の車に乗ることがほとんどで、交通手段について考えることはありませんでした。

しかし沖縄での生活を具体的にイメージした時、車なしの生活には相当無理があると考えるようになりました。
沖縄はバスやモノレールが発達しているので短期滞在ならばそこまでの不便はないかもしれませんが、実際の生活に関連している施設は車での移動を前提としている施設が多いように思います。

そこで移住準備の第一歩として、大阪にいる時からドライビングスクールに通って運転スキルを磨き、引っ越し準備で沖縄に行った時もレンタカーで街を走るなど、 運転する機会を増やすようにしました。

収入の軸を増やして精神的・経済的に余裕を持つ

沖縄移住の大きな目的でもある祖父母の介護に携わるには、ある程度時間の融通が利く仕事を見つける必要がありました。
沖縄で就職活動をすることは決めていましたが、別の土地で暮らすにあたり、どこでも仕事ができるスキルを身につける必要があると考え、副業でWebライターを始めることにしました。

最初はお小遣い程度の額にもならなかったので、失敗したかと思ったことも正直ありますが、コツコツ続けていくうちに単価も上がり効率良く稼げるようになりました。
何よりネット越しとはいえいろいろな人とお仕事をすることで、異なった考え方や仕事の進め方を知るきっかけになったのは大きな収穫だと思います。
移住という環境の変化へのリハーサルという意味でも、副業を持って新しい世界を知るのは大切だと感じました。

移住1~3カ月前にやったこと

何かとやることの多い引っ越しですが、転職も伴う沖縄移住の場合は住居探しにくわえて職探しも並行しなくてはいけません。
ここでは沖縄移住を決めてから実際に引っ越すまで、具体的にどのようなことをしたのか、4つにまとめました。

収支チェックで生活をシンプルにまとめる

移住にあたり、現在の収支を細かくチェックして、毎月定額で出ていくお金がいくらなのかを把握することにしました。
その中で自分でも意外だったのが、音楽やゲームなどのサブスクライブ(定期購入)に割くお金が意外と多かったということ。
移住後の自分にとって必要なサービスが何かをよく考え、どこにお金をかけるべきかを考えるきっかけにもなったので、生活費を抑えるだけでなく生活自体がシンプルにまとまったと感じています。

沖縄生活の必需品である車は内地で購入

沖縄生活の必需品である自家用車は、内地で買って運ぶことにしました。
沖縄は軽自動車の需要が多いせいか販売価格もかなり高めで、5万km走行のワゴンが50万円を超えることも珍しくありません。

このことから、商品の選択肢が多い内地で車を買って輸送することにしました。
住所変更や車庫証明の手続きなどが面倒になるというデメリットはありましたが、ゆっくり車を選べましたし引っ越してすぐに車が使えたのはとても便利でした。

家を探すなら新聞やタウン誌がねらい目

内地で引っ越しを考える際に参考になるのが、賃貸サイトなどのネット情報だと思いますが、沖縄では思ったほど参考にできませんでした。
というのも、内地で大きな基準になる「〇〇駅から徒歩〇分」といった公共交通機関へのアクセス情報が、沖縄では大きく異なっているからです。
確かにモノレールやバスターミナルに近い物件もありますし、それはそれで便利ですがそのぶん家賃も高くなりますし、自分の希望する生活圏と合致するとは限りません。

そこでネット検索は家賃の相場や住みたいエリアをリサーチする程度に留め、引っ越し準備で沖縄に滞在する間は祖父母の家に泊まりましたが、今から考えると住んでみたい地域の民泊に滞在する手もあったなと思っています。
Airbnbなどの民泊仲介サイトを見ると「こんな地域に?」と思うような場所に民泊があることも多いですし、沖縄移住のリハーサルとして短期滞在してみるのも良いかもしれませんね。

私の場合は祖父母の家への通いやすさを考えて、与那原町・南風原町・西原町周辺で探していたのですが、遠縁の親戚が南風原町に古い空き家を持っており、貸してもらえることになりました。

沖縄では仏壇や位牌がそのままになっている空き家が年々増えており、私が借りたのも一番広い部屋に造り付けのお仏壇がある古い一軒家です。
誰も住んでいない期間が長かったので傷みが目立つ部分もあり、20万円ほどかけて畳の張替えと水回りの修繕を行いましたが、家賃が3万円と破格だったことと引っ越しの敷礼金を考えると妥当な出費だったと思います。

私の場合は特殊なケースだったかもしれませんが、移住を考えた時点であちこちに声をかけておくことで意外なところから好物件が見つかることもあるかもしれませんね。

転職サイトだけでなく企業サイトや求人誌もチェックしてみる

沖縄での職探しは、転職サイトよりも地元の新聞やジェイウォームなどの求人誌、銀行に置いてあるタウン誌求人欄のほうが充実していたように思います。
ネットで探す場合も、総合的な転職サイトよりも業種を限定した専門的なサイトや沖縄の求人に特化したサイトのほうが具体的に仕事内容をイメージできました。
私の場合は前職で取得した資格を活かせそうな団体のサイトを片っ端からチェックして、求人情報を手に入れました。

結果的には持っている資格を活かした職業に就きましたが、今考えると全く違う職種に就いても良かったかなとも思っています。
沖縄は就職が厳しいというのが定説ですが、ネットだけでなく新聞や求人誌、知り合いに声をかけるなど、角度を変えた探し方も大切だと感じました。

実際の沖縄移住生活ってどんな感じ?

待ちに待った沖縄生活がいよいよ始まりました。
初めての挑戦や新しい生活へのワクワク感など楽しいことがたくさんある反面、苦労や期待に反したこともありました。ここでは、実際に沖縄で生活してみて体験したことや、感じたことをご紹介しています。

移住後の生活、どう変わった?

沖縄移住後も「おひとりさま」スタイルはあまり変わりませんでしたが、人と気軽に話すことができるようになりました。
私が借りた家のあたりは親族が固まって住んでおり、祖父母と付き合いのある人の多い地域だということもあると思いますが、内地から引っ越してきた私に何かと声をかけてくれたので心強かったです。

家には遠縁のお仏壇と位牌が置かれたままだったので、時々訪れる親族に伝統行事や料理を教えてもらったりするのも新鮮で、外に遊びに行ったり観光したいという気持ちがあまり湧きませんでした。
レジャーにお金がかからなくなったので、月に15万円もあればそれなりに生活できます。
残業の少ない会社だったので、自由時間が増えたのも大きなメリットでした。

仕事については、内地と仕事の進め方が違うので戸惑うことも多かったです。
もちろん職場環境によるものが大きいとは思いますが、内地のスピード感を求めると違和感を覚えることもあるかもしれません。
時間や納期に大らかな部分を、「まあいいか」と思える割り切りが必要になる気がします。

沖縄で初めての畑仕事にチャレンジ!

沖縄ではフルタイムの仕事+Webライターのダブルワークになりましたが、年収の総額は内地にいるときよりも数十万円低下しました。
ですが内地にいるときよりも広い家に住めるようになり、精神的な余裕は格段に増したように思います。
沖縄の古い家は畑ができる庭がついていることが多く、始めての野菜作りにチャレンジしたり花を育てたりとスローライフを楽しめたことがとても良かったです。

沖縄は買い物が不便だというイメージを持たれることも多いのですが、巨大なショッピングモールが点在しており、内地と同じようなセレクトショップも多数入っています。
図書館や映画館も近くにあったので、さまざまなコンテンツを楽しむことができました。

物価・台風・渋滞に悩まされたことも

沖縄で生活している中で困ったことといえば、『物価・台風・渋滞』の三点に尽きます。

沖縄は意外と物価が高いといわれていますが実際その通りで、特に内地から運んでくる生鮮食品は割高なものがほとんどです。
たとえ自炊をしたとしても、内地と同じ感覚でいるとかなり高くつくと思ったほうが良いでしょう。
ただ、沖縄には地元で採れるハンダマやヘチマなどの『島野菜』があり、こちらは旬に合わせて買うとかなりお得です。

そして沖縄には、必ず年に数回台風がやってきます。
集合住宅ならそこまで気にする必要はないのですが、私が住んでいたのは古い一軒家だったので、何度か停電や断水に見舞われました。
停電はすぐに復旧することもありますが、規模によっては半日以上かかることもあります。
そういうときは近所から電気を引かせてもらったり、備蓄で生活することになるのですが、太陽光で充電できるモバイルバッテリーや食料などはともかく、給水袋やコードリールといった防災用品は今まで買ったことがなかったため、自分の防災意識の低さを痛感するきっかけにもなりました。

そして一番困ったのが、交通渋滞です。
沖縄は車社会ということもあり、どの道路も交通量がかなり多いです。
そのため、ナビでは最短ルートに思える道が実はそうでもなかったり、抜け道を知らないと移動が大変だと思うことが多々ありました。

沖縄に5年半住んでみて感じたこと

十代の頃から喘息に悩んでおり薬が手放せなかったのですが、沖縄に住んでいる間は一度も発作が出ませんでした。
沖縄というと夏の暑さがクローズアップされがちですが、真冬でも10度を下回ることはほとんどなく、ダウンコート要らずで過ごせます。冬も暖かい気候のおかげで体調が良くなったのは大きな収穫でした。

沖縄での生活は台風や交通渋滞など思い通りにいかないこともそれなりにありましたが、祖父母の介護にくわえて清明祭(シーミー)や旧盆といったにも関われたので、とても得難い経験をできたと思っています。

沖縄移住で身についたこと

沖縄には5年半住みましたが、祖父母が亡くなったことと結婚をきっかけに大阪へ戻ることにしました。
そのタイミングで副業として続けていたライター業を本格的に始め、会社勤めから卒業することに決めました。

移住を経験したことで身軽に暮らす充実感と「いざとなればどこででもやっていける」という自信が身についたように思います。

沖縄でスローライフを楽しもう

この記事では沖縄移住の体験談と、どのような準備を進めたかについてご紹介してきました。

移住というと、もう元の土地には戻らない片道切符というイメージを持っている方も多いと思います。
転職や引っ越しというのは人生にとって大きな転機ですし、失敗やトラブルを防ぐためにも入念なリサーチと下調べは欠かせません。
しかし住み慣れた別の土地を離れるというのもあくまでひとつの選択肢に過ぎないと肩の力を抜いて、気楽にかまえていた方がうまくいくこともあるのではないでしょうか。