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放課後等デイサービス(児童デイ)の理学療法士、作業療法士、言語聴覚士。役割はどう違う?

リハビリ等機能訓練のプロである理学療法士・作業療法士・言語聴覚士は、放課後等デイサービスにおいてどのような役割を果たしているのでしょうか。
この記事ではそれぞれの資格について解説するとともに、実際の役割の違いについて解説しています。

放課後デイサービスとは

放課後等デイサービスとは、2012年に改正された児童福祉法に基づく新しい福祉サービスの形態です。
6歳(小学1年生)~18歳(高校3年生)までの障がいや発達に特性を持つ子どもを対象にしており「障がい児の学童」とも呼ばれています。

学校が終わった後や夏休みなどの長期休暇の居場所として子どもを見守るだけでなく、それぞれの障がいに応じたトレーニングや社会で自立して暮らしていくために身につけておきたいルールやマナーの習得を行います。

放課後等デイサービスには所定の人員配置基準がありますが、機能訓練を行う場合には専門の機能訓練担当職員を1名以上配置することが求められています。
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士は機能訓練担当職員として勤務することになります。
心身の機能を維持・向上するうえで、機能訓練は非常に大切なものです。

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士を取り巻く現状

現在、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士として働いている方は約239,000人といわれています。

職種 人数
理学療法士 約127,000人
作業療法士 約74,000人
言語聴覚士 約36,000人

第三回 理学療法士・作業療法士需給分科会」「日本言語聴覚士協会」より引用

理学療法士と作業療法士で6割以上、言語聴覚士の7割以上が病院などの医療法関連施設で働いており、放課後等デイサービスなどの児童福祉法関連施設で働く理学療法士は、現時点ではさほど多くありません。

しかし放課後等デイサービスの事業所は年々拡大傾向にあり、提供するサービスの質の向上が求められています。
そのため、今後も機能訓練担当職員として理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の需要は増えていくと考えられます。

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士 それぞれの役割

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士はいずれもリハビリテーションのプロフェッショナルですが、それぞれ専門分野が異なります。
放課後等デイサービスにおいて、これらの職種はどのような役割を果たしているのでしょうか?
ここではそれぞれの資格の違いや、実際に行っている訓練について解説しています。

理学療法士とは

理学療法士とは障がいや加齢、外傷などの原因で運動能力が低下した人に対し、マッサージやトレーニング、電気療法などを用いてリハビリを行うことができる国家資格です。

人間が身体を動かすうえで、立ち歩きや歩行、寝返りなどの動作は欠かすことができないものです。
理学療法士は関節の可動域拡張や筋力訓練、マッサージ等を行い身体機能の維持・向上を目指します。

放課後等デイサービスにおける理学療法士の役割

放課後等デイサービスにおいて最初に理学療法士が行うのは、担当する児童の身体能力を評価してどのような訓練が必要か計画を立てることです。

立ち歩きや簡単な体操などを通して筋力やバランス感覚、身体の使い方をチェックして発達状況を細かく評価します。
現時点において必要な訓練だけでなく、成長過程で問題になってくるであろう箇所を評価し、訓練に組み込むこともあります。

評価内容をもとに児童発達支援管理責任者が作成した個別支援計画に沿って、以下のような訓練を行います。

・関節の可動域を維持・拡張するためのトレーニング
・身体の認識や感覚を高め、バランス感覚を向上させるためのトレーニング
・歩行訓練
・階段の昇降
・筋肉をしなやかに保つためのマッサージや体操

理学療法士は、比較的身体を大きく使うリハビリやトレーニングを担当しています。
基本動作を根気良くトレーニングして筋力や体力を向上させることで、他の訓練にもプラスの影響を与えることが期待できるのです。

作業療法士とは

作業療法士は食事や入浴、家事、創作活動など身体のより細かい感覚を使った動作(=作業)を訓練することができる国家資格です。

理学療法士の領域と比較すると手先を使った動作や、生活に直結した動作が多いのが特徴です。
訓練を受ける人がより豊かに自立して生活できるよう必要な能力を身につけるだけでなく、社会との交流促進も目指します。

放課後等デイサービスにおける作業療法士の役割

作業療法士は生活に直結した動作の訓練を行いますが、それと並んで重要なのは子どもが抱えている「困り感」を汲み取って寄り添うことです。
うまく身体を動かせない、みんなと一緒に工作や作業ができないという経験は子どもにとってストレスやプレッシャーにつながります。

作業療法士は他のスタッフとも連携して運動や感覚、コミュニケーションの面で子どもが抱えている問題を見つけ出し、解決方法を探っていきます。

訓練内容は障がいの程度や発達状況によって異なりますが、一般的には以下のようなものです。

・ハサミや鉛筆の使い方
・お箸を使って食事をするトレーニング
・服や靴の着脱
・掃除や片付けのトレーニング

運動機能や情緒面、感覚機能など、総合的な角度から子どもの発達状況をチェックし、生活に直結したトレーニングを行う役割が求められているといえるでしょう。

言語聴覚士とは

言語聴覚士は「話す(言語障害や音声障害)・聞く(聴覚障害)・食べる(嚥下障害)」にまつわる問題に取り組み、対処法や必要な訓練を行う国家資格です。

言葉によるコミュニケーションや発声、咀嚼等に関連する能力を伸ばすためのトレーニングを行います。
これらの能力には脳のはたらきが大きく関係しています。
言語聴覚士は心身の両面から、必要なトレーニングやケアを判断することが求められています。

放課後等デイサービスにおける言語聴覚士の役割

放課後等デイサービスにおいて理学療法士は身体の基本的な動きを、作業療法士は手先を使う動きを中心にトレーニングしますが、言語聴覚士は「話す・聞く・食べる」に特化した訓練を行っています。
また、子どもや家族が抱えている悩みに寄り添い、障がいや特性とともに向き合ったサポートをしていきます。

訓練内容は障がいの程度や発達状況によって異なりますが、一般的には以下のようなものです。

・口の発達を促すトレーニング
・絵やカードを使って言葉の理解を深めるトレーニング
・嚥下に必要な機能や筋力の訓練
・安全に食事をするための姿勢や形態のトレーニング

現役スタッフから見た放課後等デイサービスにおける働き方~ライフデザインのスタッフの声より

先にもご紹介したように放課後等デイサービスなど、障がい児福祉の現場で働く理学療法士・作業療法士・言語聴覚士は割合としてかなり少数です。
現在、株式会社ライフデザインには専門資格を保有するスタッフが多数在籍しています。
ここでは実際に現場で働くスタッフの声を交えて、仕事内容やこれからの展望についてご紹介します。

病院と放課後等デイサービス、仕事に違いはある?

放課後等デイサービスは、6歳から18歳までの障がいを持つ子どもが長期間通う施設です。
病院と比べて一度に受け持つ人数が少ないため一人ひとりとじっくり向き合って信頼関係を構築し、きめ細かなケアを提供できるという特徴があります。

仕事が忙しいというのは同じでも、イベントの企画など子どもたちと一緒に楽しめるものが多いため、気分的にはとても楽だという声もありました。
一方、癇癪を起こしてしまう子や現代ならではの子ども事情への対応などに戸惑いを感じるという意見も聞かれました。

もう一点、病院と放課後等デイサービスの大きな違いとして「医師が常駐しているか」という点も挙げられます。
病院から転職したスタッフの中には、医師のいないところで判断を下すことに最初は戸惑いを感じた人もいたようです。

放課後等デイサービスをはじめとする障がい児の通所施設には、専門職スタッフが一人しかいないところも多く、単独で多くの判断を下さなくてはいけないという側面もあります。
株式会社ライフデザインには複数の専門職スタッフにくわえて、児童発達支援管理責任者や児童指導員など、障がい児のサポートに関する専門資格を持つスタッフが複数在籍しています。
それぞれの立場から意見を出し合って、仕事を進めていける体制が整っているのがポイントです。

実際にどんな仕事をしているの?

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士はリハビリテーションなどの専門職ですが、実際に放課後等デイサービスで働くにあたっては幅広い業務に対応することが求められています。

・生活動作の介助
・宿題や勉強のサポート
・送迎
・月間予定計画の作成
・レクリエーションやイベントの企画・実行
・保護者対応

こういった業務をこなしながら、機能訓練や療育を行うことになります。
病院やリハビリテーション施設では専門領域が異なる3つの資格ですが、現場で働くスタッフの声からは職種による業務の差はあまりないという実情も伺えました。

ただ、日常業務の中で子どもたちのなにげない動きや癖から支援の必要性を見出し、療育まで発展させていけるのは専門性の高い職種ならではといえます。
スタッフのアンケートからも以下のような声が聞かれました。

・言葉を選ぶのが苦手な子どもに根気良く声掛けを続け、療育に入っている
・ダウン症の子どもの食事形態について、専門性を活かしたケアを行っている
・スポーツカリキュラムの中で動きに特徴のある子どもを見出し、療育へと発展させている

また、共通して聞かれたのが「どのような場合でもアセスメント(情報を収集分析し、目標の設定と必要なケアを策定する)から入ることを心掛けている」という点でした。
日常業務の中でも、つねにアンテナを張っていくことが重要だといえるでしょう。

これからの放課後等デイサービスで専門職に求められる役割

放課後等デイサービスは短期間で事業所数が大幅に増加し、支援のばらつきがかねてより指摘されてきました。
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士に対する専門職加算も今年度より開始されましたが、これらの専門性を活かす運用体制の構築は、いずれの事業所でも発展途上段階にあります。

利用者のニーズに合った質の高い支援を提供するための体制作りの一環として、厚生労働省は放課後等デイサービス事業を2類型に分ける方針を示しました。
創作活動など四つの活動をすべて行う「総合支援型」と、理学療法など専門性の高い支援を提供する「特定プログラム特化型」の二つに分けてそれぞれの機能を明確にすることで、現在起きている支援のばらつきの是正を目指します。

現在、放課後等デイサービスで働く理学療法士・作業療法士・言語聴覚士はあまり多くありませんが、制度改正により放課後等デイサービスにおける療育のリーダー的存在になることも考えられます
今後、より専門職へのニーズは高まっていくと予想できるでしょう。

放課後等デイサービスで働くのに向いているのはどんな人?

放課後等デイサービスで働いてみたいと考えた際に、自分が向いているのだろうかと不安に感じる方もいるのではないでしょうか。
そこで、株式会社ライフデザインで働くスタッフに放課後等デイサービスで働くにはどんなタイプが向いているのかアンケートをとってみました。

・療育者であると同時に、子どもたちの理解者であろうとする人
・専門分野だけでなく、他領域の知識も柔軟に吸収しようとする姿勢
・子どもたちと真剣に向き合おうとする姿勢

子どもと接することが好きであることは、放課後等デイサービスで働くうえで不可欠な条件ではありますが、療育のプロとしてさらに一歩踏み込んだ心構えが必要だと考えている人が多いことが伺えます。
そのうえで、子どもの自主性や伝えたいことを真摯に汲み取れる姿勢を持った人が向いているという意見もありました。

一方で、子どもが大好きで一緒に楽しめる前向きな姿勢が一番大事だという意見も多く聞かれました。
株式会社ライフデザインでは専門職がより活躍するための体制作りを推進しており、現場の意見を反映するための会議やヒアリングに力を入れています。

まとめ

この記事では、放課後等デイサービスにおける理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の仕事内容の違いや、実際に働くスタッフの立場から見た専門職の立ち位置などについてご紹介してきました。

この記事のまとめ

  • 理学療法士は身体の基本的な動作、作業療法士は手先を使った動作、言語聴覚士は言語や嚥下などの訓練を行う
  • 放課後等デイサービスで従事する人数は多くないが、制度変更により療育のリーダー的存在になりうる立ち位置にある
  • 子どもたちと接する時間が長いため、一人ひとりの子どもとじっくり向き合い、きめ細かなケアを行えるというメリットがある

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【募集番号0019:】児童デイサービスまはろ志真志:作業療法士