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放課後等デイサービス・児童発達支援で5領域プログラム提供義務化へ!5領域と義務化内容を解説

令和6年度障害福祉サービス報酬改定が行われ、5領域の支援プログラム提供が義務化されました。この記事では5領域の支援プログラムの内容について解説しています。

5領域の支援プログラム提供義務化とは?


障害福祉サービス報酬とは、障害福祉サービス事業所の報酬体系や支援体制について定めたもので、時代の変化に合わせた制度にするために、数年に1度見直しが行われます。
今回の改定では、

・障がい者が地域で暮らしていけるように支援すること
・障がい者に質の高い支援を提供できるようにすること

などが論点となり、障害児支援の分野でも制度の改正や新設が行われました。
放課後等デイサービス・児童発達支援に関しては、本人支援の「5領域」についての取り決めがされたことが重要な変更点といえます。

放課後等デイサービス・児童発達支援における「5領域」とは?


放課後等デイサービス・児童発達支援における「5領域」とは、子どもに対して行われる本人支援の5つの領域のことをいいます。

より良い発達支援を行うために必要とされる領域で、今回の法改正によって全項目を子どもへの支援に組み込むことが義務となりました。
今後、事業所には「5領域」の内容が含まれた支援計画の作成と公表が求められ、実施しない場合はペナルティーが科せられることになります。
「5領域」の支援のねらいと具体的な療育内容については以下の通りです。

健康・生活

子どもが健康的で安全な生活を送れるように支援を行います。
周りの大人が安全を守ることはもちろん、子どもが自らの健康を守れるように必要なスキルを身につけることも重要となります。

ねらい
・子どもの心身の健康を育てて、正しい生活リズムや基本的生活スキルを身につける。
療育内容
・子どもの小さな心身の変化を見逃さないよう見守り、健康状態を把握する。
・食事・睡眠・排泄・着替えなどの基本的な生活リズムを身につけ、安全な生活を子ども自身で送れるように支援する。
・遊びなど日常的な活動の中で、必要なスキルを身につけられるように環境を整える。
具体的な療育例
・来所時に体温計による健康状態のチェックを行う。
・料理を通して正しい調理方法や健康な食生活について学ぶ。
・着替えの際は自分でできることは積極的にやってもらい、できないことをサポートするようにする。

運動・感覚

体の動かし方や視覚・聴覚などの感覚の使い方を身につけるための支援を行います。
ねらい
・補助具など必要な道具も活用しながら、正しい姿勢や運動機能を身につける。
・子ども自身がもつ感覚をしっかり使えるようになる。
療育内容
・正しい姿勢の保ち方を身につける。
・運動機能・筋力の向上のために体を動かす。
・歩行器や車いすなどの補助具を使って歩く練習をする。
・子どもに合わせて眼鏡や補聴器などの補助具も活用しながら、子ども自身がもつ感覚を最大限活用できるように配慮する。
・感覚過敏・鈍麻のある子どもに対して過ごしやすい環境を整える。
具体的な療育例
・公園遊びやスポーツを行い、筋力を上げる。
・箱の中身をあてるゲームをして、手の感覚を鍛える。
・聴覚過敏の子に対して、耳当てや静かな休憩部屋を用意する。

認知・行動

認知とは、見る・覚える・言葉を理解する・物を認識するなど知的な機能のことをいいます。
正しい認知を身につけることで、時間や数・物の大きさといった様々な概念について学んだり、強いこだわりなどの困りごとを解消したりする支援を行います。

ねらい
・認知を発達させることで、空間・時間・数などの概念について学ぶ。
・強すぎるこだわりなど認知の偏りへの対応や予防を行う。
療育内容
・視覚、聴覚、触覚などの感覚を使って認知機能を発達させる。
・おもちゃや道具を使って、物体の数や形・色の変化、音の違い、空間・時間のとらえ方を理解する。
・行動障害(強すぎるこだわりや物の破壊行為など)や偏食など子どもの認知の特性・偏りを把握し、適切な支援や配慮を行う。
具体的な療育例
・粘土遊びをして物体の形が変わる様子を理解する。
・積み木など立体的な道具を使って遊ぶことで色や数、空間を理解する。
・こだわりが強い子の予定が変更になった場合は、できるだけ早めに伝えて心の準備ができる時間を作る。

言語・コミュニケーション

言葉や文字、ジェスチャーなど様々な方法を活用して、子どもが必要なコミュニケーション能力を身につけられるよう支援を行います。

ねらい
・言葉や様々なコミュニケーション方法を学び、相手の話を理解して自分の気持ちを言葉にできるようにする。
・文字やジェスチャーなど様々な方法を使い、スムーズなコミュニケーションを行えるようにする。

療育内容
・職員やほかの子と会話をすることで言語を学んだり、自分の気持ちを言葉にする練習をしたりする。
・話すこと以外にも文字・記号・ジェスチャー・絵カード・手話など様々なコミュニケーション手段を使うことで、相手の言葉を理解し自分の意思を伝えられるように支援する。
・学習障害(LD)の子どもに対して読み書き能力向上のための支援を行う。
具体的な療育例
・伝言ゲームで相手の言葉を理解したり、伝えたりする練習を行う。
・好きなものやハマっていることを発表することで、自分の気持ちを話す練習をする。

人間関係・社会性

人や集団と、どのように関わり信頼関係を築いていくのかを学ぶための支援を行います。

ねらい
・人とのつながりを通して、信頼関係の作り方や集団への参加方法を学ぶ。
・人と関わることで、自分の感情の変化を理解しコントロールする方法を学ぶ。

療育内容
・周囲の人と関わり、信頼関係の築き方や感情のコントロール方法を学ぶ。
・相手の動きをまねする遊びを行うことで、人と関わることへの意識をもってもらう。
・おままごとやごっこ遊びなどの象徴遊びを行うことで社会性や想像力の発達を促す。
・集団に参加する方法やルールを理解することで、集団での遊びや活動に参加できるよう支援する。
具体的な療育例
・折り紙を一緒に折るなど人の動きをまねする遊びを行う。
・お店屋さんなどのごっこ遊びをして、社会性を身につける。
・かくれんぼなど集団でできる遊びを行い、集団との関わり方を学ぶ。

5領域に対応した支援を受けるメリット


5領域に対応した療育を受けることで、利用者にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは主なメリットを3つに分けて解説しています。

支援の質の向上が期待できる

支援計画を作る際は、5領域それぞれの課題や取り組みを細かく検討します。

領域ごとの支援内容が具体的になるため、作業療法士など必要な専門職とも連携しやすくなり、より質の高い支援を行うことができます。

総合的な支援が受けられる

5領域すべてを支援計画に組み込むことで、1つの領域に絞られず総合的に必要な支援を受けることができます

領域を限定しないため、これまで気づけなかった子どもの困りごとを発見できる可能性もあり、より効果的な支援につながります。

必要な支援がより明確になる

支援内容を5領域に分けて検討することで、それぞれの課題や支援の目標が明確になり、子どもの得意不得意や困りごとが把握しやすくなります。

取り組むべき課題が具体的にわかるので、子どもにとって本当に必要な支援を行えるのも大きなメリットといえるでしょう。

児童デイサービスまはろ・児童発達支援あろはkidsについて


児童デイサービスまはろ・児童発達支援あろはkidsは障がいや発達に特性を持つ子どもが、障がいとうまく付き合いながら社会で生きていく力を養うための支援を受けられる支援施設です。

運動や学習にくわえて、ソーシャルスキルトレーニングなど対人関係に必要なスキルを学ぶ療育にも力を入れています。
放課後等デイサービス・児童発達支援としては珍しく、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が在籍しており、より専門性の高い5領域プログラムの提供が可能です。

相談支援事業所が併設されており、見学・相談からご利用開始までワンストップでサポートいたします。ご興味のある方はどうぞお気軽にご相談ください

まとめ

この記事では放課後等デイサービス・児童発達支援における5領域義務化とその内容について解説しました。

この記事のまとめ

  • 障害福祉サービス報酬改定で5領域プログラム提供が義務化された
  • 「5領域」とは子どもに対して行われる本人支援の5つの領域のことで、心身の発達に重要な5つの要素を網羅している
  • 領域ごとの支援内容が具体的になるため、作業療法士など必要な専門職とも連携しやすくなり、より質の高い支援を行うことが可能になる