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放課後等デイサービス(児童デイ)の保育士は働きやすいってほんと?沖縄の放デイ保育士に聞いてみた
保育士資格を持つ方が必要とされる現場として、放課後等デイサービスという選択肢があるのをご存じでしょうか?
この記事では放課後等デイサービスで働く保育士に、仕事の実情や働きやすさについて聞いてみました!
目次
保育士の就職先や活躍できる場所とは
保育士資格は、大学・短大・専門学校など厚生労働省が指定する保育士養成校を卒業するか、実務経験などを積んだうえで保育士試験に合格することで取得することができます。
保育士養成校への入学者は例年五万人弱ほどで、微減傾向にあります。
保育士の養成学校を卒業する人の就職先として、真っ先に挙げられるのが保育所及び幼保連携型認定こども園です。
平成28年度をピークに就職者数は微減していますが、全体の割合としては増加傾向にあるなど多くの方の就職先として選ばれてきました。
就職先といえば保育所やこども園を真っ先に思いつく方も多いのではないでしょうか。
保育所及び幼保連携型認定こども園に就職する人は指定保育士養成施設卒業者の6割弱、幼稚園も含めれば7割を超えています。
今回ご紹介する放課後等デイサービスが属する児童福祉施設に就職する人は、全体の1割にも満たないのが現状です。
保育士の待遇を取り巻く現状
保育士という仕事は、以前から「仕事量が多い」「給与が安い」「労働時間が長い」などの問題が指摘されてきました。
事務作業や工作仕事が勤務時間中に終わらず残業や持ち帰りになってしまったり、有給休暇は付与されているものの取得できる雰囲気ではないなどの声が保育士からも上がっています。
また、沖縄県の保育施設で働く保育士の給与は平均17万円前後、手取りでは13万円を切るところも珍しくありません。
収入面からも保育士は全業種の平均収入を下回っていることがほとんどで、処遇改善が急務とされています。
離職率そのものは9%前後と他業種に比べて高いわけではありませんが、保育士として働く方は経験年数8年未満の方が約半分を占めています。
保育士として長く働くのは、ハードルが高いといえるでしょう。
そのため保育士を退職したあと他業種で働く方も多く、全国的に見ても保育士は不足しているのが現状です。
放課後等デイサービスという選択肢
保育士資格を活かして働くうえで、放課後等デイサービスなどの児童福祉施設を選択する方はあまり多くありません。
その背景には障がい児と接するのは難しそうだというイメージや、そもそも放課後等デイサービスで保育士が必要とされていることが知られていないという事実も関係していると思われます。
ここでは保育士の就職先としての放課後等デイサービスをご紹介するとともに、株式会社ライフデザインの運営する放課後等デイサービスで働く保育士から実際の仕事事情について聞いてみました。
放課後等デイサービスとは
放課後等デイサービスとは、学校が終わった後や夏休みなどの長期休暇などに通うことができる福祉サービスのひとつです。
6歳(小学1年生)~18歳(高校3年生)までを対象としており、障がいを持つ方や発達に特性のある方が利用することができます。
「障がい児の学童」といわれることもあります。医師による判断が必要ですが、障がい者手帳の有無は要件に含まれていません。
放課後等デイサービスは2012年に改正された児童福祉法に基づいて設置されており、比較的新しい障がい児福祉サービスです。
放課後や長期休暇など、サポートが行き届きにくい期間の支援充実を目指して設立されました。
学校や家庭とも違う「第三の居場所」は子どもたちの心の拠りどころとなるだけでなく、社会で生きていくために必要な社会性やマナーを身につけることにもつながります。
また、家庭において障がい児の世話をしている家族や身近な人間にとっても、休息をとったり自分の用事を済ませたりする時間を捻出し、負担を軽減する「レスパイトケア」という側面もあります。
放課後等デイサービスでは、それぞれの障がいや発達に合わせてトレーニングや創作活動、レクリエーションなどを行います。
児童発達支援管理責任者により作成された個別支援計画に基づいて、社会で自立して生活していくための能力やマナー、生活の充実を目指します。
放課後等デイサービスには保育士の配置が必須
放課後等デイサービスでは、安全で質の高いケアを提供するために人員配置基準が定められています。
障がい児10人につき2名の職員を配置することが定められていますが、その半分は児童指導員または保育士でなければいけません。
そういった意味合いからも放課後等デイサービスにおける保育士の需要は非常に高く、一般的な保育施設よりも給与や福利厚生が充実している施設も多いようです。
ライフデザインで働く保育士の待遇は?スタッフの声を聞いてみました
放課後等デイサービスを選んだ理由は?
――本日はライフデザインで働く保育士さんの本音をお聞きしたいと思いますのでよろしくお願いします。お名前と所属を教えていただけますか?
古堅 株式会社ライフデザインの児童デイサービスまはろ宜野湾志真志で働いている、保育士の古堅(ふるげん)です。よろしくお願いいたします。
――古堅さんは新卒で入社されたと聞きました。
古堅 大学で幼児教育を専攻して保育士と幼稚園教諭の資格を取って、新卒で入社しました。
――保育士や幼稚園教諭の資格を取られた方はやはり保育園や幼稚園に就職することが多いと思いますが、どうして放課後等デイサービスを選んだのですか?
古堅 大学の実習などの経験から、保育園に比べて放課後等デイサービスの方が子どもたち一人ひとりを見れると思いました。保育園だと子どもたちがいっぱいいる中で一人ひとりを見るのが意外と難しいんです。残業や持ち帰りの仕事も多いですし。放課後等デイサービスに行ったときに「ああ、こんなに一人ひとりを支援できる場所があるんだな」と思って放課後等デイサービスを選びました。
――放課後等デイサービスの方が一人ひとりをきめ細かくケアできる点がよかったというわけですね。未就学児を対象とした児童発達支援という選択肢はありませんでしたか?
古堅 実習では児童発達支援センターに行ったんです。でも児童発達支援って子どもたちが通う時間や回数が限られていて、週に1~2回、1日1時間くらいしか子どもたちと関われません。1時間で何ができるかな、どんな支援ができるかなって思ったときに放課後等デイサービスのように毎日来る子どもたちの支援の方が自分には向いていると思いました。
入社後に感じたギャップは?
――入社前と入社後で仕事に関するイメージのギャップはありますか?
古堅 障がいがある子どもが来るところだからもっと暗いのかと思っていたのに、全然そんなことがなくてびっくりしました。もっと発達障がいなどがある子どもが来ると思っていたんです。
――実際には思っていたよりずっと明るかった?
古堅 はい。「え、こんな子が?」っていうような、私たちの時代なら普通だった子が発達障がいと言われていることに驚きました。でも実際に接してみると「あ、この支援が必要なんだな」と感じるようにもなってきて。そしたら今度はどう対応していいのかわからなくなって不安になってしまいました。私が新卒で経験がないからというのも大きいんですが。
――大学で幼児教育を専攻されたとはいっても、障害を持ったお子さんの療育は初めてですから当然ですよね。対応のしかたなどはどのように身につけたのですか?
古堅 知識を得るには先輩に聞くのが一番です。いろいろな専門資格を持った先輩がいるので、そこはもう「こんなときどうしたらいんですか?」って遠慮なくなんでも聞いています!私のような未経験者もいるのでもっと研修があればいいかなとは思います。
――研修はあまりない?
古堅 あるにはあるんですが、私のような未経験者がイチから学べるような研修は少ないかな。あと毎日仕事がパンパンで、もう少し研修を受けられる余裕があるといいんですが。
1日のスケジュールや仕事内容、残業は?
――毎日パンパンということは、残業や持ち帰りの仕事もあるんでしょうか?
古堅 それはありません。残業も持ち帰りの仕事もまったくないです。むしろ早く終わったら早く帰っていいルールです。
――放課後等デイサービスは保育園より始業時間が遅いイメージです。1日の流れを教えていただけますか。
古堅 勤務時間は10:00~19:00です。10時に出社して事務作業や子どもたちを迎える準備をして12時にお昼ごはん。1時くらいから子どもたちの送迎をして療育が始まり、5時半くらいから子どもたちをご自宅に送ります。そのあと事務作業やお手紙を書いたりして7時に退勤です。
――保育園より実働時間も短いようですね。
古堅 短いです。仕事の持ち帰りもないし、6時や6時半でもみんなの仕事が終わったら帰っていいよっていう感じです。
――子どもたちが来ているときはどんな風に関わっているのですか?
古堅 幼稚園生じゃなくて小学生なので自分たちで遊ぶことが多いです。私たちは遊んでいるのを見ながら、一人ひとりの支援計画に従って声を掛けます。例えば「イライラするんじゃなくて自分の気持ちを伝えよう」っていう支援計画がある子がいたら、その子がイライラしているときに「どんな気持ち?そんな気持ちだったらこう言おうね」とケアします。
――事務作業は多いのですか?
古堅 多いですね。一人ひとりに役割があるんですが、ライフデザインではみんなが全部の仕事をできるようにするんです。
――誰かがお休みしてもお互いにサポートできるような?
古堅 そうです。なので失敗しても自分のせいだけじゃなくてみんなで責任を持つ感じです。
――保育士さんは工作作業も多いイメージですが、そのあたりはいかがですか?
古堅 多いです。でも工作もみんなでやるからすぐできるんですよ!だから保育園の保育士よりは少ないと思います。
給与や待遇は?
――給与や待遇面では保育園・幼稚園と比べてどうでしょうか?
古堅 お給料もいいです!新卒1年目の私で20万5,000円です。
――新卒の保育士さんとしてはかなり高いですね!お給料がいいとどうしても仕事がキツいイメージがありますが、お休みはどうなっていますか?
古堅 週休2日です。日曜と平日1日。保育園だと週休2日って難しいので、恵まれていると思います。
――お給料もよくて週休2日で残業も持ち帰りの仕事もないって、一般的な保育園の保育士よりいい待遇だと思いますが、どうして人手不足なんだと思いますか?
古堅 私もすごくいい職場だと思うので保育士をやってる友だちに「放デイで働いてみない?」って聞くんですが、「え?障がいのある子でしょ?」みたいな偏見が多くて。やっぱりそこかなぁ。
キャリアパスは?
――長く仕事をしていく上ではやはりキャリアパスも大事になってきます。
古堅 まだ21歳で新卒1年目なのでいろんな職場を見たいなというのはあるんですが、でも今の職場がよすぎて異動できるかなと思っています(笑)
――新卒1年目でそう思える職場にいるってすごいですね。
古堅 ほんとそうなんですよ、ライフデザインいいよーっていろんな人に伝えたいんですけど(笑)将来的にはやっぱり児発管とか上に立てる人にならなきゃいけないのかなと思いますが、なれるのかは不安です。
――やはり放課後等デイサービスでは児発管(児童発達支援管理責任者)がキャリアとしては一区切りという感じでしょうか。
古堅 そうです。一番上でみんなをまとめる役なので。
――放課後等デイサービスでキャリアを積んでいく上で、もっとほかの資格取得を目指したいといったことはありますか?
古堅 ありますね、やっぱり保育士だけじゃなくて言語聴覚士とかあったらいなと思うことはあります。
――ライフデザインには資格取得支援制度などもあるので上手に使いたいところですね。女性の場合、結婚や出産といったライフスタイルの変化も仕事に影響しますが、そういったときにも続けやすい環境がありますか?
古堅 続けやすいと思います。みんなやさしいので体調が悪いと「休んで」って言ってくれますし、実際に子どもがいて働いているスタッフもいるので働きやすいように見えます。
――それだと心強いですね。どんな職種でも離職理由のトップに「人間関係」が上がってきますが、ライフデザインは風通しがいい、話しやすい環境が整っている感じですか?
古堅 なんでも話しやすくて、相談もしやすいです。保育園ってどうしても女性ばかりなので変に気を遣うところがありますが、放課後等デイサービスだと男性スタッフもたくさんいるので中和されて(笑)、とても関係がいいと思います。
ライフデザインで一緒に働きませんか!
――思っていた以上に働きやすい環境があるとわかりました。なんとかたくさんの人にこの良さを伝えて一緒に働く人を増やしたいですね。
古堅 本当にそう思いますし、私は本当に友だちとかに「どう?」って誘っているんですけど・・・やっぱり障がいのある子どもが相手っていうだけで悪いイメージを持つ人が多いのがとても残念です。
――まずはそのイメージを払しょくしたい?
古堅 はい、実際に見てもらったらそんなイメージとは全然違うのがわかると思うので、ちょっとでも興味があったら見学に来てほしいと思います。
――ライフデザインで一緒に働く仲間が増えるといいですね!
古堅 新卒でまだわからないことがいっぱいありますが、それでもここでできるだけ長く働きたいと思っています。お給料もお休みも自慢できます。そんなすごくいい職場なので、皆さんぜひ一緒に働いてください!
この記事のまとめ
この記事では保育士を取り巻く現状とともに、実際に放課後等デイサービスで働く保育士の声をご紹介してきました。
- 保育士の6割以上が保育所やこども園に就職しているが、就労環境に課題を抱えているところも多い
- 放課後等デイサービスは一般的な保育施設よりも高待遇の事業所が多い
- ワークライフバランスを重視して働くなら、放課後等デイサービスという選択肢もおすすめ
株式会社ライフデザインでは、保育士などの資格を活かして働ける現場が多数あります。子どもたちとじっくり向き合い信頼関係を築いていきたいという方には、放課後等デイサービスという選択肢もおすすめです。
転職やキャリアアップをお考えの方は、ぜひ当社までご相談ください。