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生活介護と就労支援の違いは?併用はできる?注意点も解説
みなさんは生活介護と就労継続支援の違いをご存知ですか?
どちらも日中活動系サービスですが、サービス内容や対象者などに違いがあります。
この記事では、生活介護と就労継続支援の違いや併用は可能かなどを解説します。
生活介護や就労継続支援の利用を検討している人はぜひ参考にしてください。
目次
生活介護と就労継続支援の概要
それではまず生活介護と就労継続支援の概要を紹介します。
生活介護
生活介護は、身体的・知的・精神的障がいをもつ人たちが、安心して日常生活を送るためのサポートを行うサービスです。
生活介護では、食事、排せつ、入浴などの日常生活動作の補助や、レクリエーション活動の支援などのサービスが提供されています。
就労継続支援
就労継続支援は、障がいをもつ人たちが社会参加を続けるためのサポートを提供しています。
就労継続支援では、障がいを理由とする雇用の不安定さや職場適応の問題を克服し、継続的な就労を目指すためのサポートが行われています。
これらのサービスは、障がい者の自立を促進し、社会参加をサポートするための重要な役割を果たしています。
生活介護と就労継続支援の違い
生活介護と就労継続支援はどちらも日中活動系サービスにあたりますが、支援内容、対象者など多くの点で違いがあります。
ここから生活介護と就労継続支援の違いについて、5つの項目に分けて解説していきます。
①提供内容
生活介護
生活介護では、おもに以下のようなサービスを行っています。
・生活リズムを整えるための支援
・創作活動や生産活動の機会を提供
・社会参加の機会を提供
・心のケア、健康管理のサポート
就労継続支援
就労継続支援のおもな提供内容は以下のとおりです。
・実際の作業、生産活動の機会を提供
・社会的スキル(コミュニケーション、協調性、人間関係の構築)のサポート
・心のケアや健康管理のサポート
②対象者
生活介護
身体的、知的、精神的な障がいを有する方全般で、おもに障がい支援区分が区分3以上の方が対象となっており、日常生活に援助を要する方が利用しています。
就労継続支援
おもに障がいのある方で、就労を目指す、または就労を継続するためのサポートが必要な方を対象としています。
③提供する場所
生活介護
生活介護は、障がい者総合支援法に基づくサービスとして、特定の施設での提供が求められます。
具体的には、障がい者支援施設やその他の厚生労働省令で定められた施設となっています。
この規定により、生活介護のサービス提供は、認定された施設内でのみ行うことが可能となっています。
就労継続支援
サービスの提供場所については、生活介護のような特定の場所に関する規定や制約は設けられていません。
そのため、多様な場所や状況でのサポートが可能となっています。
この点を考慮すると、生活介護は、サービス提供場所に関する規定や制約が厳格であるのに対し、就労継続支援はその制約が緩やかであると理解できます。
④サービス提供時間
生活介護
生活介護に関する規定では、「主として昼間において」のサービス提供が明記されています。
これは、生活介護のサービスが基本的に日中、特定の時間帯に提供されることを意味します。
就労継続支援
一方、就労継続支援の規定には、提供時間に関する具体的な言及はありません。
これは、障がいのある方が通常の事業所での雇用が困難な場合に、就労の機会を提供するとともに、生産活動やその他の活動を通じての訓練やサポートを行うというサービス内容になるため、時間帯や日数に柔軟に対応できるという意味です。
要するに、生活介護と就労継続支援の提供時間のおもな違いは、生活介護が「主として昼間」に提供されるサービスであるのに対し、就労継続支援は提供時間に特定の縛りがないという点です。
これにより、就労継続支援は、障がいのある方の就労ニーズや訓練の必要性に応じて、柔軟なサービス提供が可能となっています。
⑤働いた対価について
生活介護
まず生活介護はおもに日常生活の支援を行いますが、生産活動の機会提供など、就労につながる支援も行っています。
生産活動を行った場合、工賃が支払われることがありますが、工賃の下限額や報告義務は特に定められていないため、事業所によっては比較的自由に設定することが可能です。
このため、工賃が就労継続支援B型よりも低く設定されるケースも考えられます。
就労継続支援
就労継続支援にはA型とB型があり、支援内容が違うため、それぞれ分けて解説します。
まず就労継続支援B型は、通常の事業所での雇用が難しい障がい者に、おもに継続的な就労を提供するサービスです。
このサービスを利用する障がい者には「工賃」として報酬が支払われます。
そしてB型の工賃の平均額は1カ月につき3,000円未満にならないようにという基準と工賃の報告義務が設けられています。
就労継続支援A型は、障がい者に対する雇用の形態を通じたサポートを行います。
A型では「工賃」ではなく、正式な「給与」が支払われます。
A型の給与は最低賃金以上である必要があり、雇用契約を結ぶことが基本です。
生活介護と就労継続支援の違いまとめ
生活介護 | 就労継続支援 | |
---|---|---|
目的 | ・日常生活の自立 | ・就労の継続 |
提供内容 | ・日常生活の介助、支援 ・生活リズムを整えるための支援 ・創作活動、生産活動、社会参加の機会提供 ・心のケア、健康管理のサポート |
・職業的なスキルや知識の習得支援 ・実際の作業、生産活動の機会を提供 ・社会的スキルのサポート ・心のケアや健康管理のサポート |
対象者 | ・おもに日常生活に援助を要する障がい者 | ・就労を目指す、または就労を継続するためのサポートが必要な障がい者 |
提供する場所 | ・障がい者支援施設など定められた施設 | ・特定の場所に関する規定や制約なし ・多様な場所や状況でのサポートが可能 |
提供時間 | ・おもとして日中 | ・提供時間に関する具体的な指定なし ・時間帯や日数に柔軟に対応できる |
賃金 | ・工賃の下限額や報告義務は特に定められていない ・就労継続支援B型よりも低く設定されるケースも多い |
・B型は「工賃」として支払われ、月額3,000円未満は不可、工賃の報告義務がある ・A型は給与として支払われ、最低賃金以上が必要 |
生活介護のおもな目的は、障がいのある方が自立した日常生活を送るためのサポートを提供することです。
一方、就労継続支援は、障がいのある方が就労を目指す、または就労を継続するための専門的なサポートを提供することを主目的としています。
したがって、生活に関する支援を受けたいなら生活介護、具体的に職に就くことや、現在の職場での継続的な就労を目指すなら就労継続支援を利用することがおすすめです。
生活介護と就労支援の併用は可能か?
最後に多くの方が疑問に思っている生活介護と就労支援の併用について解説します。
併用は可能?
結論から言うと、生活介護と就労支援の併用は可能です。
ただし、日中活動サービスは、その効果的な支援を図る観点から、通常、同一種類のサービスを継続して利用することが一般的とされており、基本的には併用不可となっています。
よって併用するにはさまざまな注意点があります。
基本的な考え方
まず基本的な考え方について、厚労省障発0 3 3 0 第3 0 号 平成24年3月30日介護給付費等の支給決定等についてを参考に説明します。
まず障がい福祉サービス全体として、
このように基本的にはサービスの組み合わせは、個々に合わせて必要性に応じて決定するようになっています。
また、日中活動系サービスについては、
となっており、日中活動系サービスは一種類のサービス利用が一般的だが、必要性が認められれば併用が可能としています。
注意するポイント!
上記を踏まえて、日中活動系サービスを併用する際の注意点を紹介します。
同一種類のサービス継続が基本
生活介護や就労継続支援は一種類のサービス利用が基本です。
複数の日中活動系サービス利用には、その妥当性が必要になります。
同一日複数利用は不可
日中活動サービスに係る報酬は一日単位で算定されることから、同一日に複数の日中活動サービスを利用することはできないことになっています。
必要性を市町村が判断
必要性を判断し支給を決定するのは市町村です。
市町村によって判断に若干の違いがあることもあるので注意が必要です。
また、市町村によっては、併用可能なサービス種別をあらかじめ定めている場合もあります。
①生活介護と就労継続支援B型は併用可能
②就労継続支援A型と就労定着支援は不可など
併用を検討している場合は、あらかじめ市町村へ確認しておきましょう。
まとめ
この記事では、生活介護と就労継続支援の違いや併用は可能かなどを解説しました。
この記事をまとめると以下のようになります。
この記事のまとめ
- 生活介護は日常生活全般を支援するサービスで、就労支援は就労を目指したり就労の場を提供したりするサービスである。
- 生活介護と就労継続支援では、目的、提供内容、対象者、提供する場所、提供時間、賃金など多くの点に違いがある。
- 生活介護と就労支援の併用は可能だが、利用の妥当性を市町村に認められる必要があり、あらかじめ市町村への確認が必要である。
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