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生活介護の活動内容は?生産活動、創作活動はどんなことをする?工賃はもらえる?

生活介護の活動内容の中に、生産活動と創作活動があります。
実際にどのような活動をしているのでしょうか?
工賃はもらえるのでしょうか?
生産活動、創作活動について解説しました。

生活介護とは


厚生労働省は生活介護について、以下のように定義しています。

常に介護を必要とする人に、昼間、入浴、排せつ、食事の介護等を行うとともに、創作的活動又は生産活動の機会を提供する

引用:厚生労働省「障害福祉サービスについて

生活介護は国の定めた障害福祉サービスのひとつであり、身体障害・精神障害・知的障害・難病を持つ方々を対象としています。

サービスの名前や内容から、デイサービスと混同してしまっている方も多いかもしれません。しかし、デイサービスの対象者は要介護認定を受けた方が対象となる、介護保険法に基づく通所介護サービスです。障害者を対象とし、障害者総合支援法を根拠とする生活介護とは明確な違いがあります。

生活介護を利用するには

生活介護事業所を利用するには、障害支援区分3以上(年齢が50歳以上であれば障害支援区分が区分2以上)という条件を満たす必要があります。生活支援を利用したい場合は、まず障害支援区分認定を受けることから始めます。

まずは、自治体の障害福祉担当窓口へ申請を行いましょう。その後日程を調整して調査員との面談が行われ、サービスの利用計画を自身または事業所で作成していきます。

適正な利用計画を作成のうえ事業所と契約を結べば、生活介護の利用ができるようになります。申請からサービス利用開始までに数か月かかることも珍しくないため、生活介護の利用を検討している場合は、時間の余裕をもって申し込むことが大切です。

生活介護で受けられるサービス内容


生活介護サービスでは生活援助のほか、レクリエーションや創作活動、リハビリなども受けることができます。
この項目ではそれぞれを詳しく解説しています。

入浴や排せつ、食事等の介助

生活介護サービスは昼間時間の入浴や排せつ、食事などの直接身体に触れる介護(身体介護)が中心となります。
車いすへの乗り移り、ベッドからの起き上がり・就寝、服薬管理も身体介護に含まれています。

そのほか、調理や掃除、洗濯といった家事動作への援助も行い、対象者のQOL(生活の質)向上に努めています。
生活介護は昼間時間のサービスであるため、夜間の介護を受けたい場合は施設入所支援など他の障害福祉サービスの利用が必要となります。

生活に関する相談

生活介護事業所では、利用者の生活全般に関する相談も受け付けています。
事業所は医療機関や行政と連携して動いているため、病気のことや就労に関係する悩みに対しても、的確なアドバイスを受けられます。

身体機能や生活能力向上に必要な援助

日常生活を介護するだけではなく、日常生活動作の能力向上を図るのも、生活介護の重要な役割です。
生活介護事業所によっては外部から理学療法士・作業療法士に来てもらい、利用者ひとりひとりに合った運動療法プログラムを実施しているところもあります。

生活介護の生産活動、創作活動

創作活動や生産活動を通して作業の経験を積むのと同時に、他者・地域との交流を通じて社会性向上を図ります。
創作活動の内容は、地域や事業所によって違いがありますが、誰でも気軽に行えるような作業を取り入れているケースが多いです。

生活介護事業所で行われている創作活動・生産活動には以下のようなものがあります。

  • 手芸
  • 園芸
  • 陶芸
  • 絵画
  • 折り紙
  • お菓子作り
  • 農作物の栽培・販売

作業を進めるにあたって、地域のボランティアに協力してもらったり、指導を受けたりすることで、他者との交流機会が増え、社会とのつながりも得られます。

また、創作活動のほかに、生活介護事業所ではレクリエーションも活発に行われています。
いずれも自然と他者との会話が増え、無理なく体を動かせるものが取り入れられています。
生活介護事業所のレクリエーションの一例は以下のようなものです。

  • 散歩
  • 車・バスでドライブ
  • ボードゲーム
  • 季節のイベント(豆まき、七夕など)

生活介護では工賃が受け取れるか?


生活介護事業所の生産活動によって、利用者は工賃を受け取ることができます。
工賃とは生活介護事業のほか、就労継続支援B型などでの生産活動で収益が発生した際に受け取れる報酬のことを指します。
生活介護の生産活動は一般的な労働契約には基づいていないため、「賃金」ではなく「工賃」と区別されています。

日本知的障害者福祉協会の報告によると、工賃を支給している事業所の平均工賃月額は以下の通りです。

事業所数 割合
3,000円未満 423 45.6
~5,000円未満 183 19.7
~10,000円未満 161 17.3
~20,000円未満 80 8.6
20,000円以上 24 2.6
不明・無回答 57 6.1

引用元:公益財団法人日本知的障害者福祉協会「令和2年度 生活介護事業所(通所型)実態調査報告

生産活動から報酬がもらえるとなると利用者のモチベーションも上がりますし、生活の質の向上につながると思われますが、受け取れる工賃については注意点があります。

工賃に関しては最低金額等の規定がなく、事業所側で自由に金額を設定することが可能です。
作業内容や成果に応じて工賃の金額を決めている事業所もあれば、「1日作業して何円」とあらかじめ決めている事業所もあります。

そのため、利用を検討している事業所の工賃支払いについては、金額や規定について事前にしっかり確認しておくことが必要です。

生活介護の利用料

生活介護の利用料については1割を自己負担し、残りの9割は国や都道府県、自治体が負担することになっています。

また、自己負担額は世帯収入によって上限金額が決められており、利用したサービス量に関わらず上限を超えた料金は発生しません。生活保護受給世帯だと、自己負担なしに生活介護のサービスを利用できます。
月ごとの利用者負担の上限額は以下のようになっています。

区分 世帯の収入状況 負担上限金額
生活保護 生活保護受給世帯 0円
低所得 市町村民税非課税世帯(注1) 0円
一般1 市町村民税課税世帯(所得割16万円(注2)未満)
※入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者を除きます(注3)
9,300円
一般2 上記以外 37,200円

(注1)3人世帯で障害者基礎年金1級受給の場合、収入が概ね300万円以下の世帯が対象となります。
(注2)収入が概ね670万円以下の世帯が対象になります。
(注3)入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者は、市町村民税課税世帯の場合、「一般2」となります。
引用:厚生労働省「障害者の利用者負担

まとめ

この記事では、生活介護の活動内容や工賃について解説してきました。
生活介護は生活の質や身体機能の向上を目指すうえで、非常に有益な障害福祉サービスです。サービスの利用を検討している方は、ぜひ当社までご相談ください。

この記事のまとめ

  • 生活介護では身体介護や家事動作への援助、生活に関する相談、生産活動などのサービスを受けられる
  • 生産活動は事業所によって得意分野があり、特性や興味に応じて選択することも可能
  • 活動によっては工賃が発生するが、各事業所によって基準が異なるのでサービス開始前に内容をよく確認しておくことが重要