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福祉の仕事でキャリアアップできる?放課後等デイサービス(児童デイ)の作業療法士の場合
この記事では、放課後等デイサービスでの作業療法士のキャリアアップについて解説しています。
放課後等デイサービスなど、福祉分野への就職を検討している作業療法士の方は、参考にしてみてください。
目次
放課後等デイサービスと作業療法士
まずは放課後等デイサービスとはどういったサービスか、作業療法士とはどのような職種かおさえておきましょう。
作業療法士とは
作業療法士は、リハビリテーション専門職の一つで、病気やけが、先天的に機能障がいのある方に対し、作業をとおして身体および精神機能の回復や維持を図る職種です。
作業療法士の行うリハビリは、食事や排せつ、着替えや家事など、日常生活の具体的な「作業」を行いながら機能向上を目指します。
例えば、病気やけがで腕が上がりにくくなった人に、食事動作をしながら指導、訓練を行うことで、自分で食べられるようになる練習をするなど、具体的な生活動作でリハビリを行っていきます。
作業療法士は、医療機関のほか、高齢者介護施設や児童発達支援、就労支援事業所などさまざまな分野で必要とされている人材です。
放課後等デイサービスとは
放課後等デイサービスは、児童の発達支援を行う通所施設で、対象者は小学校入学から高校までの就学児です(通称「児童デイ」には未就学児も通っています)
利用している児童は、発達障がい、知的障がい、聴覚や視覚の障がい、四肢の障がいなど、それぞれ障がいを抱えており、リハビリテーションの専門家である作業療法士も多く活躍しています。
放課後等デイサービスにおける作業療法士の役割
キャリアアップに触れる前に、放課後等デイサービスでの作業療法士の役割や仕事内容について紹介します。
機能訓練担当職の配置について
放課後等デイサービスの基本的な人員基準では、作業療法士などのリハビリ職の配置は必須ではありません。
ただし、特別支加算を算定し機能訓練を実施する場合は、機能訓練担当職員の配置が必要となっており、最近は実際に放デイで働く作業療法士も増えています。
特別支援加算とは、放課後等デイサービス等において、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などのリハビリテーションの専門職を配置し、障がいに合わせた個別機能訓練を行うことで取得できる加算です。
特別支援加算は、機能訓練の充実した事業所を評価する加算で、利用する児童にとっても、放デイを選ぶ指標の一つとなっています。
では放課後等デイサービスにおける作業療法士の役割とは、いったいどのようなものなのでしょうか?
障がい発達支援における作業療法士の役割
放デイを含む障がい児発達支援における作業療法士のおもな役割は、
・機能の評価と計画
です。
機能回復や向上を目指して、個別の機能訓練や集団での療育支援を行うとともに、身体機能の評価や支援計画作成も作業療法士の大切な役割の一つです。
放課後等デイサービスにおける作業療法士の仕事内容
放課後等デイサービスにおいて作業療法士は、おもな役割以外にもさまざまな仕事があります。
具体的な仕事内容は以下のとおりです。
・機能評価&計画
・イベントなどの企画や実施
・保護者との面談
・送迎
放デイでの作業療法士は、機能訓練担当職としての役割以外に、児童指導員や保育士と協力して日常の療育支援やイベントなどの開催、保護者への相談支援から送迎まで、幅広く業務に対応する必要があります。
病院勤務とは違い、幅広い業務が必要となる作業療法士ですが、放課後等デイサービスで働きながらキャリアアップを目指すことはできるのでしょうか?
ここから本題の放デイ作業療法士のキャリアアップについて紹介していきます。
放課後等デイサービス 作業療法士のキャリアアップとは?
結論からいうとキャリアアップは可能です!
ですが、一般職と専門職ではキャリアアップの意味合いも少し違うところもありますので、これから作業療法士のキャリアアップについて説明していきます。
職種としての専門性を高めることができる!
作業療法士など専門職が求められるものは、職種としての高い専門性。
よって作業療法士にとっての一番のキャリアアップは、専門性を高めることです!
リハビリ専門職として、その専門性を高める方法としては、
・研修会や勉強会に積極的に参加する
・関連資格を取得する
などがあります。
放課後等デイサービスは児童の発達支援を行う事業所で、発達障がいや知的障がいをはじめ、四肢の機能障がいや視覚聴覚の障がいなどを抱える児童が通っています。
放課後等デイサービスで働くことで、障がいを抱える児童のリハビリテーションに集中的に携わるため、児童の発達支援のスペシャリストを目指すことができます。
また放課後等デイサービスは、資格取得支援や研修制度が充実している事業所も少なくないため、関連資格の取得がしやすくなっています。
資格は、自身の能力を高めるとともに、目にみえる形でアピールできるため、キャリアアップを目指すなら、積極的に取得することが大切です。
今の職場で昇進する
今の職場で昇進するのもキャリアアップのひとつの方法です。
放課後等デイサービスなどの福祉施設には、リハビリ担当職の数は多くないため、昇進するのは難しいと思われがちです。
しかし放デイの作業療法士はリハビリ担当職としてのキャリアアップだけでなく、管理者や主任など、事業所全体の長となることも可能です。
職場での昇進を目指すなら、リハ職としてだけでなく他職種まで管理できる広い視野と知識を身につけ、管理者や主任を目指すのも一つの方法です。
経験や知識を活かして他分野に飛び込むのも一つの方法!
作業療法士は、放課後等デイサービスでの経験や知識を活かして、他の分野で活躍することも可能です。
作業療法士が活躍できる職場には以下のようなものがあります。
・障がい児支援
・就労支援事業所
・高齢者施設
・訪問リハビリ
・医療機器メーカー
医療機関はもちろんのこと、放課後等デイサービスでの経験を活かし、児童発達支援や就労支援事業所などほかの障がい児施設や、訪問リハビリや通所リハビリなどの高齢者介護の分野で活躍する作業療法士もとても増えています。
また訪問看護事業を経営したり、これまでの経験を活かして、医療機器メーカーなどで福祉用具開発に関わる仕事したりすることもできます。
作業療法士は、放課後等デイサービスでの機能訓練の経験や取得した資格を活かして、さまざまな分野で活躍することができますね!
作業療法士のキャリアアップに資格取得が大切な要素であることは、理解していただけたと思います。
では作業療法士の専門性を高める、キャリアアップにつながる資格にはどのようなものがあるのでしょうか?
作業療法士の専門性を高める資格とは?
それでは作業療法士のキャリアアップにつながる、おすすめ資格について紹介していきます。
認定作業療法士
認定作業療法士とは、作業療法士のなかでも一定の条件をクリアすることで取得できる、作業療法士の上位資格。
スキルアップはもちろん、キャリアアップにもつながる、作業療法士として特に取得しておきたい重要資格です。
認定作業療法士になるには、
・生涯教育プログラムの研修を修了
・事例報告
・筆記試験
などをクリアする必要があります。
専門作業療法士
専門作業療法士は、平成21年度に定められた「専門作業療法士制度」による資格で、認定作業療法士のうち、さらに特定の分野を極めた作業療法士のスペシャリストです。
専門作業療法士を取得するには以下の要件を満たす必要があります。
・研修実践、臨床実践、研究実践、教育と社会貢献の4実践を修了
・専門作業療法士資格認定審査に合格
専門作業療法士は10の専門分野から希望する分野を選択し臨床実践の経験を積んでいきます。
10の専門分野は以下のとおり。
・認知症分野
・手外科分野
・特別支援教育分野
・高次脳機能障害分野
・精神科急性期分野
・摂食嚥下分野
・訪問分野
・がん分野
・就労支援分野
それぞれ専門分野によって取得のための実践が違ってくるため、早めに専門分野を選ぶことが大切です。
また児童発達支援に関わる作業療法士の場合、特別支援教育分野を選択している方が多い傾向です。
福祉住環境コーディネーター
福祉住環境コーディネーターとは、福祉用具や福祉に関する住環境のスペシャリストの資格。
作業療法士が行う身体機能や動作訓練の訓練は、実際の住環境に即して行われるもので、作業療法士にとって住環境の理解は必須ともいえます。
福祉住環境コーディネーターを取得することで、キャリアアップにつながるだけでなく、実際のリハビリのスキルアップにつながるため、入手を目指す作業療法士もたくさんいます。
福祉住環境コーディネーターには、1級、2級、3級があり、資格を取得するには、それぞれの資格試験に合格する必要があります。
ケアマネジャー
ケアマネジャーは介護保険において、ケアプランを作成したり、サービスの調整をしたりする保険制度の要となる職種。
作業療法士とは一見関係ないように思われがちですが、高齢者介護の分野において介護保険制度の理解はとても大切で、取得を目指す作業療法士は少なくありません。
また作業療法士からケアマネジャーになる人もあり、キャリアアップの面でも取得して損のない資格です。
作業療法士がケアマネジャーになるには、
・試験に合格
・実務研修の受講
が必要です。
呼吸療法認定士
呼吸療法士は、看護師や理学療法士、作業療法士に人気のある資格で、呼吸療法や酸素療法などが適切に実施できる人材育成のために設けられています。
呼吸療法士を取得するには以下の手順が必要となります。
・学会、講習会等の出席
・認定講習会の受講
・認定試験への合格
キャリアアップに適した事業所とは?
ここからは作業療法士が放課後等デイサービスでキャリアアップを目指す場合に、おさえておきたい事業所選びのポイントを紹介します。
資格取得支援制度が充実している
これまで説明してきたとおり、作業療法士のキャリアアップにおいて、資格の取得はとても大切です。
最近の放課後等デイサービスでは、資格取得支援制度がある事業所がかなり増えています。
資格取得支援制度の有無は必ず確認しておきましょう。
さらに資格取得支援制度とはいっても、事業所によってその内容はさまざま。
例えば、
・試験や試験に関する研修費の補助
・資格取得のための勤務調整
など、各事業所によってその内容や補助の範囲は大きく違うため、支援制度の具体的な内容についてもできる限り確認しておくことをおすすめします。
研修制度がある
作業療法士にとって資格取得とともに専門性向上のためのスキルアップもとても大切。
スキルアップのためには、研修への参加も必須ですね!
研修制度にも、自事業所での研修から施設外の研修参加など内容はさまざま。
研修制度についても、資格取得支援制度同様に、制度の有無だけでなく、内容まで確認できると良いですね!
法人内で他事業所への異動がある
複数の福祉事業を展開しており、法人内での異動がある事業所なら、
・事業所内で昇進の可能性が上がる
などのメリットがあり、キャリアアップを目指すなら、こちらも把握しておきたいポイントの一つになります。
キャリアアップを成功させるコツは?
これまで説明してきたとおり、作業療法士はリハビリテーションの専門家で、経験や知識、資格などを活かしてキャリアアップが可能な職種です。
そしてキャリアアップを成功させるためにはちょっとしたコツが必要。
最後にキャリアアップを成功させるコツをいくつか紹介します。
自分のできること、したいことを考える
まずは自分のできることやしたいことをしっかりと考えることが大切です。
できることやしたいことは、ある程度明確になっているとは思うので、もう一度、今までの経歴や資格、自分の強みや苦手なこと、目標にしてきたことなどを振り返り、自己分析を行いましょう。
キャリアプランを明確にする
自分の経歴や実績などから、自分のできることやしたいことをみつめ直した後は、今後のキャリアプランを明確にしておきましょう。
最終的になりたい自分、それに向けての細かい目標を設定します。
キャリアアップに必要なことを実行する
キャリアプランが明確になると、これから自分がやるべきことがみえてきます。
やるべきことを一つ一つクリアしていくことで、最終的な目標にたどりつくことができます。
作業療法士としてやるべきことは、これまで説明したように、
・今働いている放デイで実績を上げ昇進する
・転職を目指すなら、必要な情報収集やそれに向けた学習を行う
などがあります。
キャリアアップを目指すなら、自分をみつめ直し、キャリアプランを明確にし、必要なことを実行することが大切になります。
まとめ
今回は放課後等デイサービスの作業療法士のキャリアアップや、事業所選びのポイントを紹介しました。
この記事をまとめると以下のようになります。
この記事のまとめ
- 放課後等デイサービスの作業療法士では、資格取得などのスキルアップがキャリア向上に直接つながりやすい。
- スキルの向上を目指すなら、認定作業療法士や福祉住環境コーディネーターの資格取得がおすすめ!
- 放課後等デイサービスでキャリアアップを目指すなら、「資格取得支援制度」「研修制度」「法人内での異動の有無」などをチェックすると良い!
- キャリアアップを目指すなら、自己分析、キャリアプランの明確化、必要なことを実行することが大切!
放課後等デイサービスでも作業療法士は、専門性を高めることでキャリアアップが可能となりますね!
ライフデザインは“福祉のプロ”として地域に根差した支援を提供。
資格取得支援制度が充実し、社内他事業所への異動もあり!
現在、未経験から経験者まで幅広く作業療法士を募集中です♪
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