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訪問介護ヘルパーのかけもちはOK?メリット・デメリットと注意点
登録ヘルパーをしていると複数の事業所に登録する「かけもちヘルパー」をやりたいと考えることもあるはずです。
でもヘルパーのかけもちってしてもいいものなのでしょうか?
今回はヘルパーさんから質問が多い「かけもち」について、その可否やメリット・デメリットを解説します。
目次
訪問介護ヘルパーのかけもちとは?
ヘルパーのかけもちについては、多くの事業所で正社員ヘルパーでは副業(他の事業所勤務)の禁止をしている一方、非常勤(登録)ヘルパーでは禁止されていない場合が多い傾向です。
そのため、非常勤ヘルパーなら他の事業所へ登録することができます。
中には5カ所以上の事業所に登録しているヘルパーもおり、このような人たちをかけもちヘルパーと呼びます。
かけもちヘルパーをする理由とは?
登録ヘルパーが他の事業所にも登録する(かけもちする)最大の理由は収入の安定です。
登録ヘルパーの稼働可能な時間と利用者が来てほしい訪問時間が合わない場合が多いと収入につながりません。
複数の事業所に登録すれば稼働可能時間と利用者のニーズ(訪問時間)のマッチングの確率が上がるので、働く時間と収入が安定するというわけです。
その他の理由として子育てなどで働く時間を長く取れない場合に1日2時間程度で複数の事業所に登録し、融通が利く範囲で働くというケースもあります。
こうしたケースでは子どもが小さいうちは可能な範囲で訪問介護の業務を経験し、子育てが落ち着いてある程度の時間が取れるようになった場合にパートや正社員ヘルパーを目指すこともあります。
かけもちヘルパーのメリットとデメリット
メリットについて
かけもちヘルパーには次のようなメリットがあります。
・複数の事業所に自分の希望時間で登録できるため、働く時間を融通しやすい。
・1日2時間~のように短時間での勤務も可能、ライフワークバランスを取りやすい。
・ほとんどが直帰直行のため、複数の事業所の利用者の中から自宅から通いやすいところを選べる。
デメリットについて
もちろん複数の事業所に登録していても、以下のようなデメリットは避けられません。
・利用者の状況(本人の死亡、入院や入居)により訪問のキャンセルが発生するため勤務が不安定になる。
・希望する稼働可能時間と利用者の希望する派遣時間のマッチングが必ずしも一致しない。
・多くの事業所から同時間帯の依頼があった場合、スケジュール調整が必要になる。
・利用者のニーズとうまくマッチングしないと、時給設定が高いわりに思ったほど収入が得られないことがある。
それでも比較的自由が利きつつ一定の収入を得たいなら、やはりかけもちはひとつの効果のある手法だといえるでしょう。
かけもちヘルパーの実態とは?
かけもちヘルパー経験者のAさん・Bさんに、かけもちヘルパーの実態についてインタビューを行いました。
お二人とも複数の事業所をかけもちしていたからこその経験を活かして、正社員になって活躍しています。
Aさん 介護福祉士
女性・45歳、4人家族(夫・子ども2人)
経歴:訪問介護事業所(登録ヘルパー)6年~通所介護事業所(デイサービス25~30名/日)のパート5年~現在はサービス付き高齢者向け住宅内の訪問介護事業所 正社員(サービス提供責任者、3年目)
介護職に就いたきっかけは?
短大卒業後、一般企業(金融業)に勤め、結婚を機に退社。
出産し育児も落ち着いて来たため、学生時代に受講した介護職員初任者研修(ホームヘルパー2級)を修了。
ボランティアサークルに所属し介護施設や障がい者施設にて傾聴ボランティア、お祭りやイベントのお手伝いをした経験を活かした仕事をしたいと考えて、自宅近くに新規開業した訪問介護事業所に登録ヘルパーとして応募し採用された。
かけもちヘルパーとして
訪問介護事業所に採用されたが、開業まもないため登録しても週2回の生活支援の依頼しかなかった。
そのため3カ月後に他の事業所にもヘルパー登録。
もう1か所の訪問介護事業所は開設10年目で居宅介護支援事業所も併設していたため、派遣の依頼も多く、週3日・平均稼働時間2~3時間で収入が安定。
業務の流れも経験を積んで自信がついてきた。
子どもが小学校へ入学した時にさらにもう1か所の登録を行う。
同時に3事業所のかけもちヘルパーとして約6年勤めた。
現在は?
訪問介護事業所の登録ヘルパーを約6年経験した後、訪問介護事業所B事業所が新設で通所介護事業所(デイサービス)を開業したため、パートの介護員として転職。
訪問介護事業所から通所介護事業所に変わったことに戸惑いもあったが、登録ヘルパーの時のご利用者が数人いたのですぐにその雰囲気に慣れ、訪問介護事業所とはまた違う介護業務を体験できた。
通所介護事業所勤務時に介護福祉士の資格に挑戦し、合格。
今後は介護支援専門員(ケアマネジャー)を目指す。
現在はB事業所が開業したサービス付き高齢者向け住宅内の訪問介護事業所で正社員・サービス提供責任者として3年目を迎え、次年度からは管理者へ昇格する予定。
Bさん 介護福祉士
女性・55歳、3人家族(夫・子ども1人)
介護職の経歴:訪問介護事業所(登録ヘルパー・正社員:管理者兼サービス提供責任者)10年目
介護職のきっかけとは?
高校卒業後、一般企業(事務職)へ就職し約10年勤務。
職場結婚を機に退職、長く主婦業を行う。
子育てがひと段落た近所の友人が介護の仕事をはじめたと聞き、介護の仕事に興味を持ち、介護職員初任者研修を受講した。
受講後はパートアルバイト情報サイトやチラシ、ハローワークで勤め先を探し、訪問介護事業所に応募、登録ヘルパーとして採用された。
かけもちヘルパーとして
まずは1か所の訪問介護事業所で登録ヘルパーを行っていたが思うような件数がなく、生活支援サービスの依頼が多かったため半年後にもう1か所の訪問介護事業所へ登録した。
そこでは身体介助サービスの訪問依頼もあり、ようやく訪問介護ヘルパーの業務に慣れてきた。
2年後にさらに2か所の訪問介護事業所へ登録。
ほかのヘルパーが行きにくい時間帯(夜間・早朝)の訪問依頼に対応できたこともあり、収入もかなり増えていった。
一番多い時には月収30万円ほどもあったことも。
しかし4か所登録のためスケジュール管理が大変になり、依頼の少ない事業所の登録を解除して、3か所で約6年間登録ヘルパーとして勤務した。
7年目を迎えるころに依頼の多い事業所から正社員になってくれないかとの話があり、正社員ヘルパーとして勤務する。
現在は?
正社員になって3年後に前任の管理者の停年退職に伴って管理者兼サービス提供責任者に就任。
「まさか10年で管理者になるとは」との戸惑いもあったが、複数の事業所へ登録をしていたことで、その事業所の良い面・改善するべき点に気づいていたことが役に立ち、管理者としてより良い事業所の運営を目指して日々頑張っています。
登録ヘルパーになって6年目で介護福祉士を取得し、今後はケアマネジャー、福祉住環境コーディネーターなどを取得していきたい!と今後の目標を語りました。
かけもちヘルパーをして良かった点は?大変な点は?
Aさん・Bさんともにかけもちヘルパーとしてがんばった結果、正社員として責任ある仕事を任せてもらっています。
とはいえ、かけもちヘルパーが必ずしもいい結果につながるとは限りません。
かけもちしていてよかった点・大変だった点を聞いてみました。
よかった点
・1か所では派遣の依頼が少ないので、複数の事業所へ登録することで依頼が増える可能性がある。
・複数の訪問介護事業所を登録することで、それぞれ事業所の運営の状況や様子がわかる。
・正社員として働くことを考えた場合に自分がどの事業所と合っているのか?などの判断基準が増える。
・登録ヘルパーのため、それぞれ事業所の人間関係に深く関わらないので常に冷静な立場でいられる。
・ある程度の収入を得られる(平均20万前後)。
大変な点
・各事業所での勤務時間が短いため、福利厚生が受けにくい。
・複数の事業所登録のため、スケジュール調整や管理が大変。
・訪問件数が増えると移動が大変になる(自転車での移動の場合は天候にも左右される)
まとめ
登録ヘルパーに多いかけもちについてメリット・デメリットと実態を確認しました。
この記事のまとめ
- 1か所の登録では思ったほどの収入が得られないためかけもちをする。
- 複数かけもちすると稼働時間が増え収入も増えやすい。
- かけもちはスケジュール調整がたいへんなどのデメリットもある。
- 登録ヘルパーからスタートしキャリアを積むことで管理者やサービス提供責任者になるチャンスもある。
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