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重症心身障害者は生活介護でどんな支援が受けられる?医療体制は?

みなさんは重症心身障がいの方の生活介護利用ついてご存知ですか?
生活介護事業所では重症心身障がいの方の利用を受け入れています。

この記事では、生活介護において重症心身障がいの方の受けられる支援内容や医療体制について解説しています。
生活介護の重症心身障がい支援について知りたい方はぜひ参考にしてください。

重症心身障がい者とは

重症心身障がい者とは、重度の肢体不自由と知的障がいが重複している状態を指します。
そして最近は「大島分類」という分類方法で判別されることが一般的となっています。

大島分類によると、

・知能指数(IQ)が35以下
かつ
・運動機能が財まで制限されている状態

が重症心身障がいにあたります。

重症心身障がい者が受けられる支援は?

重症心身障がい者は、日常生活に介護や医療ケアが必要で、家族介護者の負担はとても大きいものです。
そのため本人やその家族が安心して生活できるように、さまざまな福祉サービスが提供されています。
ここでは、在宅の重症心身障がい者が受けられる、おもな福祉サービスの種類を紹介します。

児童発達支援

未就学児が対象のサービスです。
日中通いのサービスで、日常生活の基本的な動作の訓練や集団生活の適応訓練を提供しています。
また家族の負担軽減のため、レスパイトの役割も担っています。

放課後等デイサービス

放課後等デイサービスは、発達障がいなどの特別なニーズを持つ子どもたちのための施設です。
放課後や学校の休みの日に、専門的なスタッフが子どもたちの社会的スキルや自立をサポートし、楽しい活動や学習の援助を提供します。

生活介護

生活介護は、身体・知的・精神障がいをもつ成人を対象としたサービスです。
基本的に日中通所のサービスで、具体的には、利用者の日常生活の介助や自立のための訓練、生活スキルの習得や社会参加の機会を提供しています。

短期入所

障がいのある方が一時的に滞在し、生活支援やリハビリテーションを受けることができる施設です。
家族や介護者が休息を取る間、専門的なケアと支援を提供し、利用者およびご家族の安心と安全を確保しています。

療養介護

病院等に入院しており、医療と併せて常時介護を必要とする障がい者に対して提供されるサービスです。
具体的には、機能訓練や療養上の管理、看護、食事や排せつなどの日常生活の介護などを提供します。

居宅介護

介護が必要な方の居宅を訪問し、日常生活の支援をするサービスです。
日常生活の支援には、食事や排せつなどの身体介護、調理や掃除などの家事援助などがあります。

重度訪問介護

居宅介護に近いサービスですが、重度訪問介護は、常に介護が必要な肢体不自由や知的、精神障害のある方が対象です。
サービス内容は、身体介護や家事支援などがメインとなっていますが、重度の障がいを抱えているため、動作に対し全般的な介護を行います。

このほかにも、重症心身障がい者には、医療や福祉の多方面からさまざまな支援が行われています。

生活介護で受けられる支援内容

前項では重症心身障がい者の方が受けられるサービスを紹介しました。
ここからは、そのなかでも生活介護の支援内容についてもう少し詳しく解説していきます。

発達を促進する療育・日中活動の提供

生活介護は発達を促進するための療育の場です。
それぞれの心身状況に合わせてさまざまな療育、日中活動を提供しています。

集団活動

集団活動では、カラオケや音楽鑑賞、楽器での演奏など、音楽活動をよく行っています。
音楽活動は体が動きにくくても参加できることが多く、障がいの程度を問わず参加できます。
そのほかにも、周辺の散策を行ったり、レクリエーション活動を行ったりなど、多くの方が参加できるように工夫を凝らした集団活動を行っています。

個別活動

個別活動では、個人の興味や心身の状況に合わせた支援が行われています。
例えば、工作や絵画などの創作活動や料理など、楽しみながら行える活動や、菜園の管理(水やり)など季節を感じながら行える作業など、スタッフ付き添いのもと、個人のペースに合わせてゆったりと行っています。

年間行事

年間行事も生活介護の楽しみの一つです。
お花見や夏祭り、クリスマス会など、皆で楽しめる年間行事をたくさん用意しています。

健康維持・管理の医療を提供

生活介護では、重症心身障がい者の健康維持のため、医療的な管理やリハビリテーションも行われています。

リハビリテーション

個々の状況に合わせて、作業療法士や理学療法士、言語聴覚士などのリハビリテーションスタッフが、専門的なリハビリを行います。
具体的には、関節の可動域訓練や筋力強化訓練、歩行訓練、食事や排せつの訓練など内容は多岐にわたります。

ただし生活介護は、リハビリテーションスタッフの配置が必須ではないため、リハビリテーションを受けたいなら専門職が配置されている事業所を選ぶ必要があります。

医療的管理

重症心身障がい者のなかには、人工呼吸器、喀痰吸引、気管切開、経管栄養など医学的管理の必要な方もいらっしゃいます。
生活介護では、医師・看護師により、医療的ケア(経管栄養、吸引・吸入、呼吸器管理等)を提供しています。

ただし医療的管理を行うためには、看護師などの十分な配置が必要で、配置や設備の関係上、医療的ケアが必要な方の受け入れが難しい事業所もあるため確認が必要です。

家族の支援を含めた暮らしのサポート

生活介護は暮らしのサポート的役割も果たしています。

介護の肩代わりによる家族の負担軽減

生活介護は、日中の午前中から午後まで利用者を受け入れ、日常生活の支援を行います。
その間、家族は休息をとったり、用事を済ませたりすることができます。
このように介護の肩代わりによる家族の負担軽減も生活介護事業所の役割の一つです。

日常生活の介護

生活介護は、事業所で利用者の方を受け入れている間、食事や排せつ、入浴などの介護を行います。

まず食事に関しては、個々の状況に合わせて、一般食のほか、刻み食やペースト食を提供し、嚥下状態を確認しながら慎重な食事介助を行います。
また口から食べられない方には、経管栄養の支援を行うこともあります。
さらに入浴も、立ち上がったり座ったりの難しい方が多いため、リフト浴などを提供しています。

生活介護では、重症心身障がい者の方が安心して利用時間を過ごせるように、専門スタッフや設備により、個々にあった日常生活の援助を行っています。

生活介護の医療体制について

これまで説明したように、重症心身障がい者の方の支援には、医療体制の整備が必須です。
では生活介護の医療体制は整っているのでしょうか?
ここでは、厚生労働省のR2.10.21障害福祉サービス等報酬改定検討チームの資料を参考に、生活介護の医療体制の現状について紹介していきます。

生活介護の医療職の人員基準

生活介護の人員基準で医療職について以下のように定められています。

・医師は必要数で嘱託医でも可
・看護師は生活介護の単位ごとに1名以上
・理学療法士、作業療法士は機能訓練を実施する場合配置

となっており、基準の人数はかなり少なく、基準の配置では十分な医療的ケアは難しいように感じます。

重症心身障がい者の受け入れ状況

生活介護事業所を利用している重症心身障がい者の割合は以下のとおりです。

受け入れあり 26.3%
受け入れなし 70.6%
無回答 3.1%

生活介護のうち約70%の事業所が重症心身障がい者の受け入れなしと答えており、比較的少なめな印象を持ちます。

重症心身障がい者の受け入れ可否

重症心身障がい者の受け入れが可能かどうかの質問に対して、以下のような回答となっています。

受け入れ可能 2.7%
難しい場合がある 16.9%
受け入れは困難 73.1%
無回答 7.3%

重症心身障がい者の受け入れについて、はっきりと受け入れ可能と回答した事業所は2.7%となっており、医療的ケアの需要が高い重症心身障がい者の受け入れは難しいと考えている事業所が多いことがわかります。

重症心身障がい者の受け入れが難しい理由

重症心身障がい者の受け入れが難しい理由についての質問に対し、回答の多かった理由は以下の通りです。

・医療的ケアの提供が難しい 84.8%
・施設、設備面で受け入れが難しい 80.7%
・重症心身障がい者に対応できる専門性を有する職員が不足している 75.0%

このように生活介護事業所は、医療的ケア体制の十分整っていない事業所が多いことがわかります。
医療的ケアが必要な方の生活介護利用は厳しい状況ですが、現在、厚生労働省を中心に、人員基準に対する加算の創設など、さまざまな方法で生活介護事業所の受け入れ改善を目指してます。
今後、生活介護の医療体制は少しずつ整っていくと期待したいところです。

まとめ

この記事では、生活介護において重症心身障がいの方の受けられる支援内容や医療体制について解説しました。
この記事をまとめると以下のようになります。

この記事のまとめ

  • 生活介護では、発達を促進する療育支援や医療的ケア、家族支援を含めた暮らしのサポートを行っている。
  • 生活介護の医療的ケアは、専門的なリハビリのほか、経管栄養、吸引・吸入、呼吸器管理などを提供している。
  • 生活介護の医療体制は、まだまだ十分とは言い切れないが、人員基準の見直しなどが行われており、徐々に整っていくと期待したいところである。

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