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集団療育と個別療育の違いを解説!放課後等デイサービス(児童デイ)で働くときに知っておきたいこと
障がい児福祉分野でよく聞かれる「療育」という言葉。集団療育と個別療育があることは知っていても、実際にどのような違いがあるのかはっきりしないという方も多いのではないでしょうか。
この記事では集団療育と個別療育の違いと、スタッフとして療育に携わる際に知っておきたいポイントについて解説しています。
目次
放課後等デイサービスとは
放課後等デイサービスとは、障がいや発達に特性を持つ子どもが利用できる通所型の障がい児支援施設です。
6歳(小学1年生)~18歳(高校3年生)を対象としており、学校の放課後や夏休みなどの長期休業時に利用することができます。
社会生活を送るうえで必要な療育にくわえ、人間関係の問題や学習の遅れなど就学をきっかけにして生じる困り感も含めて総合的な支援を行っています。
また、進学や就職をめざす子ども向けに特化した施設もあるなど、それぞれに得意分野があるのも特徴です。
児童発達支援とサービス内容や目的はよく似ていますが、放課後等デイサービスが6歳(小学1年生)~18歳(高校3年生)を対象としているのに対し、児童発達支援は0歳~6歳の未就学児を対象にしているという違いがあります。
いずれも障がい児の療育を目的とする施設ですが、保護者が障がいや発達について相談できる身近な専門機関としての役割も求められています。
また、療育を受けている間、保護者が休養をとったり家事を済ませられるなど「レスパイトケア」としても期待されています。
放課後等デイサービスは平成26年度には約88,000人だった利用者数が令和元年度には約226,000人を突破するなど、その需要は拡大傾向にあります。
放課後等デイサービスにおける療育とは
療育とは医療と教育をあらわした造語で、本来肢体不自由児の社会的自立を目的とした支援に使われていました。
最近では、知的障がいや発達障がいに対しても使われるようになっています。
児童福祉法においては「発達支援」という表現が用いられていますが、療育とほぼ同義です。
引用:厚生労働省「児童発達支援ガイドライン」より
児童発達支援ガイドラインによると、発達支援については以上のように定義されています。
ここでいう援助とは「日常生活をスムーズに送れるよう子ども本人に行う支援や療育=発達支援」「保護者の相談を受けつけたりレスパイトケアを提供する=家族支援」「地域ぐるみで障がい児と保護者を見守りサポートする=地域支援」の三種類を指しています。
放課後等デイサービスでは総合的な支援を行っていますが、ここでは本人に行う療育(発達支援)について解説したいと思います。
障がい児への療育は「集団療育」と「個別療育」に区分されています。
最も大きな差として挙げられるのが同時に療育を受ける人数の違いですが、アプローチするポイントやねらいも異なります。
集団療育とは
集団療育とはグループでの活動を通して、集団行動のルールや社会性を学んでいく療育です。
集団に合わせて行動する力や他の子どもとの関わり方、感情のコントロールなど学校生活をはじめとした集団生活に欠かせないソーシャルスキルやコミュニケーション能力の向上を目指します。
人数の単位は課題によって異なりますが、二人から数人程度で行うことがほとんどです。
具体的な療育内容はそれぞれの放課後等デイサービスによって得意分野がありますが、スポーツや合唱、集団で行うゲームなど他の子どもと協力し合って進めていくプログラムが多いようです。
小学校高学年以降ではグループワークやロールプレイングなどを行う施設もあります。
集団療育を行うメリット
・他の子どもたちと接することで目標設定やモチベーションアップにつながる
・対人スキルや言葉の選び方などを学ぶきっかけになる
集団療育を行うデメリット
・一人ひとりに目が行き届かない恐れがある
・個々の障がいに合わせた集団療育には、スタッフの高いスキルと連携が必要になる
個別療育とは
個別療育とはスタッフとマンツーマンで行う療育のことです。
他人との関わり方や集団生活でのルールを学ぶ前の基本となるトレーニングや絵画、ロールプレイングなどに取り組みます。
プログラムの内容は子どもの障がいや年齢によってさまざまです。
小学校高学年以上から生じやすい学習の遅れやつまづきを解消するための支援も、個別療育に分類されます。中高生になると就職や進学を目標とした学習プログラムやパソコン指導などを行う施設もあります。
個別療育を行うメリット
・マンツーマンの療育なので、子どもが成功体験を積み重ねやすい
・指導するスタッフとの信頼関係を築きやすい
個別療育を行うデメリット
・個別療養に力を入れている事業所が限られている
・友達のまね(模倣)で刺激を得るきっかけが減る
放課後等デイサービスで療育を行う際に知っておきたいこと
放課後等デイサービスでは小学生から高校生まで、幅広い世代の子どもたちが療育を受けています。働く側のスタッフはどのような点に注意して支援をしていけば良いでしょうか。
大切なポイントを3つにまとめてみました。
事故や怪我の防止
身体を動かす療育やグループでの課題はちょっとした不注意や予想外の行動で、事故や怪我が発生することがあります。
スタッフ同士で連携して、さまざまな場面を想定しておくことが大切です。
何かのきっかけで癇癪を起こした時も、本人だけでなく周りも怪我をしないよう落ち着いて対応しましょう。
子どもや保護者と信頼関係を築く
放課後等デイサービスは、集団療育をメインに行う事業所が多数を占めています。
集団生活におけるルールやコミュニケーション能力向上という点では大きなメリットがありますが、一人ひとりと密な信頼関係を築くのに時間がかかるという側面もあります。
また、総合的な支援を行うにあたって、保護者との信頼関係を築くことも非常に重要なことです。
スタッフ同士の情報共有
放課後等デイサービスに通う子どもは、それぞれが違った障がいや発達の特性を持っています。
療育を行うスタッフには個々の状況を把握した対応や指導が求められていますが、きめ細かなケアにはスタッフ同士の情報共有が欠かせません。
療育方針や対応など職域を越えて一貫した指針を共有することで、こどもたちが安心して療育を受けられる環境を作ることが大切です。
まとめ
この記事では、放課後等デイサービスにおける集団療育と個別療育の違いについて解説してきました。
この記事のまとめ
- 療育とは医療と教育をあらわした造語で障がいを持つ子どもが自立した生活を送れるよう行う支援のこと
- 個別療育とはスタッフとマンツーマンで行う療育のことで、成功体験を積み重ねやすい
- 集団療育はソーシャルスキルのトレーニングになるので、集団生活に溶け込みやすくなる
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