高齢者福祉と障がい者福祉の違い

対象者

高齢者福祉と障がい者福祉では、まず対象者が違います。

高齢者福祉のおもな対象者は、介護認定を受けられている高齢者、一方障がい者福祉の対象者は、障がい者総合支援法が定義する「障がい者」で、身体や精神、知的障がいのある人になります。

抱えている疾病や障がい

高齢者福祉と障がい者福祉では抱えている疾病に違いがあります。

高齢者福祉は、加齢に伴う疾病がおもで、脳血管障害、初老期の認知症、転倒による骨折などを抱えている人が多く、一方障がい者福祉では、統合失調症、自閉症、視覚・聴覚などの障がい、四肢等の肢体不自由などが多い傾向です。

それではここからは、高齢者福祉と障がい者福祉の違いについて、サービス別に比較していきましょう！

入所系施設の比較

高齢者福祉の介護老人福祉施設

概要

介護老人福祉施設は、高齢者福祉の入所施設で、常に介護が必要な方を対象に入所を受け入れ、排せつや入浴、食事などを提供するサービスです。

仕事内容

介護老人福祉施設では、介護職員や看護師、ケアマネジャーや機能訓練指導員などが働いています。
入所者の多くが「常に介護が必要な人」なので、寝たきりの人も多く、身体的な介護がメインの仕事で、夜勤業務もあります。

介護職員の待遇

【参考：ジョブメドレー沖縄の令和３年８月の求人】

障がい者福祉の障がい者支援施設

概要

心身に障がいがある方に入所から自立訓練、就労訓練など幅広く支援する施設です。

仕事内容

幅広くサービスを提供しているためさまざまな仕事がありますが、施設入所支援としての役割や仕事内容は、基本的な食事、入浴、排せつなどの身体介護に加え、生活全般の相談や掃除洗濯などの家事のサポートまでとなっています。

入所している人は、知的障がい、発達障がい、身体障がいなどさまざまで、状態に合わせて適切な支援が必要です。
生活支援員の仕事なら夜勤業務もあります。

生活支援員の待遇

【参考：ジョブメドレー沖縄の令和３年８月の求人】

入所系施設の比較のまとめ

高齢者福祉の介護老人福祉施設では身体的に重度の障がいのある方が多く、日常生活の介護がメインの仕事で、障がい者支援施設では多様な障がいのある方への適切な対応が求められそうです。

給与は若干高齢者福祉の方が高い傾向、待遇面は全体的に変わりませんが、無資格なら高齢者介護の方が就職しやすいかもしれません。

通所系施設の比較

高齢者福祉の通所介護

通所介護の概要

通所介護は自宅では難しい入浴などの介護や、機能訓練、忙しい家族のレスパイト的役割など、日中通所で支援するサービスです。

通所介護の仕事内容

通所介護事業所では、介護職員、看護職員、機能訓練指導員、生活相談員などが働いています。
基本的な動作介助に加えて、レクリエーションなどの提供も大切な仕事。
入浴介護はかなり重労働です。

通所介護の介護スタッフの待遇

【参考：ジョブメドレー沖縄の令和３年８月の求人】

児童福祉の放課後等デイサービス

放課後等デイサービスの概要

放課後等デイサービスは、障がいのある児童を日中に受け入れ、発達支援を行い、レスパイト的役割も果たす通所施設です。

放課後等デイサービスの仕事内容

発達支援を行う事業所で、日常生活のサポートに加え、運動から学習、就業訓練など事業所ごとにさまざまな療育プログラム提供しています。

各事業所に特徴があり提供するプログラムも違うので、仕事内容もさまざまです。

児童指導員の待遇

【参考：ジョブメドレー沖縄の令和３年８月の求人】

通所系施設の違いのまとめ

求人ごとに給与のばらつきがあるものの、全体的には放課後等デイサービスの方が、若干給与が高い印象があります。

資格に関して、通所介護は無資格でも就職可能な求人がちらほらありますが、放課後等デイサービスは人員基準の関係からか、児童指導員の資格要件対象は必須レベルです。

仕事内容は同じ通所系サービスでも全く違うので、高齢者系と放デイなどで転職を考えるなら、仕事内容や資格要件などしっかり確認が必要ですね！

計画作成事業所の比較

高齢者福祉の居宅介護支援事業所

居宅介護支援事業所の概要

高齢者等が安心して生活できるように、介護保険サービスなどを組み込みながらケアプランを作成し、サービス調整を行う事業所です。

ケアマネジャーの仕事内容

居宅介護支援事業所では、ケアマネジャーが働いています
ケアマネジャーの仕事は、ケアプランの作成、サービス事業所との連携、継続的なモニタリングです。
ケアプランの作成では介護保険サービスを組み込むため、介護保険や地域にあるサービスへの深い理解が必要です。

ケアマネジャーの待遇

【参考：ジョブメドレー沖縄の令和３年８月の求人】

障がい者福祉の相談支援事業所

相談支援事業所の概要

障がいのある方の相談を受け付け、さまざまな生活相談や計画相談を行う事業所です。

相談支援専門員の仕事内容

相談支援事業所の相談支援専門員の仕事内容は、障がいに関する総合的な相談に加え、障がいサービスの利用計画やモニタリング、事業所との連携などがあり、障がい福祉サービスへの深い理解は必須となります。

相談支援専門員の待遇

【参考：ジョブメドレー沖縄の令和３年８月の求人】

計画作成事業所の比較のまとめ

どちらも資格がほぼ必須の仕事で、就業にはそれなりの経験が必要です。
計画作成という仕事内容は似ていますが、ベースとなる分野が違うので、それぞれの分野の知識、学習が重要となります。
待遇は事業所差があり、どちらの職種が高いかは明確にはわからないのが現状です。

その他 サービスの違い

その他サービスとして、高齢者福祉には福祉用具や住宅改修などの専門職があったり、障がい者福祉には就労支援系の仕事が多かったりと、同じ福祉の仕事でも違ったサービスや仕事、職種があり、幅広く探せば自分に合った仕事も見つかりそうですね！

沖縄の福祉サービスの状況

最後に令和３年８月現在の、沖縄県福祉サービスの事業所数を紹介します。

サービス事業所	事業所数
①介護老人福祉施設	76
②通所介護	535
③居宅介護支援事業所	513
④施設入所支援	46
⑤放課後等デイサービス	460
⑥相談支援事業所（計画支援）	207

【①②は沖縄県内指定介護サービス事業所一覧を参考】

【④⑤⑥は沖縄県障がい福祉サービス指定事業所情報を参考】

【③は沖縄県介護サービス情報公表システムを参考】

まとめ

今回は高齢者福祉と障がい者福祉の待遇や仕事内容の違い、沖縄県の事業所情報を紹介しました。
この記事をまとめると以下のようになります。

同じ福祉系の仕事でも、高齢者福祉と障がい者福祉では仕事内容などに違いがあり、転職するなら下調べが重要ですね！

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