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グループホームの夜勤専従ってどんな仕事?資格なしでもできる?仕事内容や給与を解説
グループホームで働いてみたいと考えた時に、気になるのが夜勤のことではないでしょうか。
どのような仕事をしているのか、誰でも働けるのかなどイメージが湧きづらいという方も少なくありません。
この記事ではグループホームにおける働き方、特に夜勤専従について解説しています。
目次
グループホームとは
グループホームとは正式名称を「認知症対応型共同生活介護施設」といい、高齢者や心身に障がいのある方が、日常生活の援助を受けながら共同で暮らしていく施設です。
「要支援2」以上の認定を受けた認知症高齢者の方が入所対象となります。
グループホームでの働き方
グループホームで働く職員はどのような仕事を行っているのでしょうか?
ここでは、グループホームの勤務スケジュールと仕事内容について解説しています。
勤務体制
グループホームの勤務体制は主に、2交代制か3交代制どちらかに設定されています。
3交代制:7時~16時の「早番」 15時~24時の「遅番」 23時~8時の「夜勤」
いずれの場合も、食事介助やレクリエーションなどが行われている日勤帯に多く人員を配置するケースが多くみられます。
仕事内容やタイムスケジュール
グループホームによって多少の違いはありますが、一般的な日勤帯のタイムスケジュールは以下の通りです。
8:00 | 出勤して夜勤者から申し送りを受ける |
8:30 | ・入所者への食事提供・介助 ・食後の片付け ・口腔ケア介助・服薬管理 |
9:30 | 朝の体操や散歩、買い物の付き添い |
11:30 | 昼食の準備(誘導、配膳) |
12:00 | 昼食介助 |
13:00 | ・食後の片付け ・口腔ケア介助・服薬管理 ・入浴介助 |
15:00 | レクリエーション、リハビリテーション |
16:00 | 夜勤者への申し送り |
17:00 | 退勤 |
グループホームでの主な仕事内容は、利用者の方々に対して食事・入浴・排泄などの生活介助や、バイタルチェックといった健康管理が挙げられます。
必要であれば、外出しての買い物に付き添うこともあります。
その他レクリエーションやリハビリを通じて、入居者同士の交流や心身の活性化を促し、日常動作能力低下と認知症予防に努めています。
夜勤ではどのような仕事をするのか
グループホームでは24時間生活のサポートを行うために、必ず夜勤者が配置されています。2交代制夜勤帯のタイムスケジュールは以下のようになります。
16:00 | 出勤して日勤者から申し送りを受ける |
17:00 | 夕食準備(誘導、配膳) |
18:00 | 夕食介助 |
19:00 | ・食後の片付け ・口腔ケア介助・服薬管理 |
20:00 | 就寝介助 |
21:00 | ・1時間おきに巡回 ・利用者からのコール対応 ・排泄介助や体位変換 |
6:00 | 起床介助(着替えや清拭の介助) |
6:30 | 食事準備(誘導、配膳) |
7:00 | 食事介助 |
8:00 | ・食後の片付け ・口腔ケア介助 ・服薬管理 |
8:30 | 日勤者への申し送り |
9:00 | 退勤 |
夜勤帯でも食事などの生活介助が中心となりますが、利用者の方々が就寝してからの動きは少し日勤帯とは異なってきます。
就寝時間後はコール対応のほか1~2時間おきに巡回し、利用者の健康と安全に問題が起こっていないかを確認します。
自力で寝返りが打てない方に対しては、褥瘡(床ずれ)を予防するための体位変換や、枕・タオルを体に挟むポジショニングを行うことも、夜勤者の大切な業務です。
グループホームで働く職種
グループホームではさまざまな職種の方が働いています。
ここでは、それぞれに必要な資格や仕事内容、夜勤にあたるのはどのような職種なのかを解説していきます。
管理者
管理者は、利用者へのサービス提供管理・職員管理・運営収支管理など、施設全体を管理する責任者です。
管理者になるためには、以下2つの条件を満たす必要があります。
1.特別養護老人ホーム、介護老人福祉施設、デイサービス、認知症対応型共同生活介護事業所などの従業者または訪問介護員として、認知症高齢者の介護に3年以上従事した経験を持つ者
2.厚生労働大臣が定める「認知症対応型サービス事業者管理者研修」を修了した者
参考:厚生労働省「認知症対応型共同生活介護」
計画作成担当者
施設利用者のケアプラン作成・見直しを担当するのが計画作成担当者です。
主な業務は利用者とその家族との面談や電話対応などですが、施設によっては介護業務も担当しているケースもあります。
介護支援専門員(ケアマネージャー)と業務内容が似ていますが、計画作成担当者は特別な資格がなくてもできるという点に違いがあります。
ケアマネージャーになるには、介護支援専門員実務研修受講試験に合格し、研修を修了する必要があります。
介護職員
介護職員は、グループホームの中心的業務である生活介護業務を担当します。
生活介護業務は、食事介助・入浴介助・排泄介助など多岐にわたり、24時間サポートするために夜勤も発生します。
グループホームで介護職員として働くのに必須な資格はなく、未経験でも勤務することが可能です。
しかし、施設によっては「介護職員初任者研修」「介護福祉士」などの資格保有を募集条件としているところも多いです。
グループホームの夜勤がきついと言われるのはなぜ?
厚生労働省によると、グループホームでの人員配置は次のように定められています。
日中:利用者3人に1人
夜間:1ユニットごとに1人
これらの基準により、夜勤者が1人という施設も珍しくないのが現状です。
グループホームは認知症のほか、何らかの病気や障がいのある高齢者の方が多く利用されています。
そのため、急な体調不良者が現れたり、予想外の行動をとる利用者が出たりすることが多々あります。
日勤帯であれば複数人で対応できるのですが、夜勤帯は1人で適切な対処を行わなければならず、慣れないうちはストレスに感じる職員が多いのです。
一方で、1人で働く夜勤時間があることにメリットを感じる人もいます。
その理由としては、「1人であれば職場の人間関係に悩むことなく、自分のペースで働ける」「緊急時対応など、スキル向上につながりキャリアアップが期待できる」といったことが挙げられます。
未経験でもグループホームの夜勤で働ける?
グループホーム夜勤者の条件や基準は設けられていないため、基本的には誰でも夜勤帯で働くことが可能です。
しかし、夜勤帯では1人で介護業務や、イレギュラーな問題にも対処しなければなりません。
そのため、ある程度の介護スキルを持ったスタッフが夜勤を担当する施設が多いです。
求人に「未経験可」と記載されているものもあれば、「研修修了後に夜勤配属あり」と施設独自のルールがあることを明記しているケースもあります。
グループホームの待遇は?
厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、グループホーム常勤の平均月給は30万円前後、非常勤の平均月給は20万円前後とされ、近年は上昇傾向にあるといわれています。
介護福祉士……30万
介護支援専門員……35万
管理者……30万
グループホーム職員の給与は、職種や資格の有無によって以下のような差が発生します。
地域によっても待遇が大きく異なるので、事前によく確認しておくことが必要です。
この記事のまとめ
- グループホームは日勤と夜勤の2交代制で働くところが多い
- 無資格でもグループホームの夜勤で働けるが、一人で対処することが多いのである程度の経験が求められる
- グループホームの平均月給は職種や資格の有無によっても異なるが、近年では上昇傾向にある