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重症心身障害児の入所施設の仕事とは?職種や資格、給与、沖縄の求人状況を解説
心身に障がいを持つ子どもを保護、支援するための施設として「障がい児入所施設」というものがあります。
この記事では主に重症心身障害児を対象とした障がい児入所施設の概要や、必要とされる職種、沖縄における求人状況についてご紹介しています。
目次
重症心身障害児の入所施設とは?
障がい児を支援する施設は、大きく分けて通所型と入所型の二つに分類されます。
今回ご紹介する重症心身障害児の入所施設は、自宅で日常生活を送ることが難しい障がい児が生活の場を施設内に移し、必要な治療や支援、訓練などを受ける場です。
以前は障がい種別ごとに施設が分けられていましたが、平成24年度から「障害児入所施設」として一元化されました。
入所にあたっては各市町村や保健センター、医師による認定が必要ですが、療育手帳の有無は必要要件ではありません。
入所の対象となるのは身体に障がいのある児童、知的障がい(発達障がいを含む)のある児童又は精神に障がいのある児童です。
医療型重症心身障害児入所施設においては、自閉症児を含む知的障がい児、肢体不自由児、重症心身障がい児が対象となります。
医療型と福祉型の違い
重症心身障害児の入所施設は医療型と福祉型の二つに分類されています。
福祉型は身体の訓練やコミュニケーション支援など、生活していくうえで必要なサポートをメインに行っています。
一方、医療型では福祉型で行っているサービスにくわえて疾患や障がいに対して治療や看護など、医学的なサポートを中心に行います。
食事や排せつなどの基本的行動も、医学的管理のもと行われるのが特徴です。
福祉型障がい者入所施設のサービス内容
・日常生活上の相談支援、助言
・身体能力、日常生活能力の維持・向上のための訓練
・レクリエーション活動等の社会参加活動支援
・コミュニケーション支援
・身体能力、日常生活能力の維持・向上のための訓練
医療型障がい者入所施設のサービス内容
・看護
・医学的管理の下における食事、排せつ、入浴等の介護
・日常生活上の相談支援、助言
・身体能力、日常生活能力の維持・向上のための訓練
・レクリエーション活動等の社会参加活動支援
・コミュニケーション支援
重症心身障害児入所施設で必要とされる職種
重症心身障害児の入所施設ではさまざまなスキルや資格を持つスタッフが必要とされています。ここでは、必要とされる職種や仕事内容についてご紹介しています。
施設長
入所施設の最高責任者として、経理や人事を含めた施設運営全般に携わります。
施設長の職に就くのに必要な資格等は定められていませんが、福祉や介護に関する資格やノウハウにくわえて、経営に関する知識なども求められます。
長いキャリアと実績が必要になる職種といえるでしょう。
正社員として職に就くことがほとんどですが、経営に携わる職種ということもあり給与水準はかなり高く、月給350,000円~500,000円前後のところが多いようです。
児童発達支援管理責任者
児童発達支援管理責任者(児発管)とは、障がい児の療育や支援において非常に重要な位置を占めている専門職です。
障がい児入所施設をはじめとした支援施設には、必ず1名以上の児発管を配置することが定められています。
児童発達支援管理責任者は支援する児童一人ひとりの障がいの度合いや状況に合わせて「個別支援計画書」を作成します。
療育や支援はこの個別支援計画に基づいて行われるため、非常に重要なものです。
また、計画の定期的な見直しや保護者との面談、スタッフの指導管理など、施設と利用者のコンサルティングも児発管の仕事のひとつです。
支援の現場におけるリーダー的存在として、高い専門知識や管理能力が求められています。
児発管として働くには所定の実務経験にくわえて、児童発達支援管理責任者研修を修了する必要があります。
多くの知識や経験が要求されますが、キャリアアップの目標地点として定める方も多いため、給与や待遇も高くなる傾向にあります。
正社員での募集がほとんどで、月給で200,000円~350,000円前後のところが一般的です。
児童指導員・保育士
重症心身障害児の入所施設において現場に最も近い位置で働くのが、児童指導員や保育士です。
食事や排せつ、着替えといった基本的な生活動作の介助にはじまり、身体能力やコミュニケーション能力を強化するトレーニングやレクリエーションの企画・実行など担当する業務は多岐に渡ります。
障がい児に直接ケアを提供する立場として、ちょっとした変化に気づくきめ細かさや長期的な信頼関係を築いていくコミュニケーション能力が求められます。
児童指導員は任用資格で
・幼稚園、小学校、中学校、高校の教員免許を保有
・社会福祉士、精神保健福祉士の資格を保有
・児童福祉施設で2年以上の実務経験
以上のいずれかに該当する必要があります。
一方、国家資格のひとつである保育士は、以下の方法で資格を取得することができます。
・保育士養成課程のある学校(大学、短期大学、専門学校)で専門教育を修める
取得後、別の仕事をするなどブランクがある方も多い資格ですが、業界未経験からでも働ける施設も少なくありません。
また、これらの有資格者は人員配置の要件に入っていることから、多くの重症心身障害児入所施設で必要とされています。
給与は月給で170,000円~250,000円前後、時給では1,000円~1,300円のところが一般的です。
重症心身障害児入所施設では夜勤もあるため、夜勤手当等が加算されると、より月収が高くなることも期待できるでしょう。
重症心身障害児入所施設の一日の流れ
重症心身障害児の入所施設は通所型施設と違い、生活のすべてを施設内で行っています。
そのため働くスタッフも24時間体制で対応することが多く、交代制のシフトを組んでいるところがほとんどです。
二交代と三交代で若干の違いはありますが、一般的な一日の流れは、以下のようになっています。
【日勤の場合】
↓
朝食介助。配膳の補助なども行う
↓
支援計画に基づいて学習指導や生活訓練などを行う
↓
昼食介助
↓
レクリエーションや休息など、子どもの状態に合わせた介助を行う
↓
おやつの提供
↓
介助の合間に事務作業や書類作成
↓
夜勤スタッフに業務を引き継いで退勤
【夜勤の場合】
↓
入浴や着替えの介助
↓
夕食介助
↓
就寝の補助
↓
消灯
↓
巡回や事務作業。交代で仮眠をとる
↓
起床。着替えや身支度の補助
↓
朝食準備
↓
日勤スタッフに業務を引き継いで退勤
重症心身障害児入所施設 沖縄の求人状況
重症心身障がい児が入所できる施設は令和2年時点で全国に約210か所、沖縄県には重症心身障害児病棟を含め5カ所あります。
施設で働きたいと考えた場合、求人の空きが出るのを待って応募することになりますが、限られた枠の空きを待つのは難易度が高いと言わざるを得ません。
冒頭でご紹介したように、障がい児を支援する施設には入所型と通所型があり、通所型の施設であれば事業所数も求人も多数あります。
通所型の施設で知識や経験を身につけ、キャリアアップしていくのもひとつの方法といえるでしょう。
まとめ
この記事では重症心身障害児の入所施設で必要とされる職種や、仕事内容についてご紹介してきました。
この記事のまとめ
- 重症心身障害児の入所施設とは、自宅で日常生活を送ることが難しい障がい児が生活の場を施設内に移し、必要な治療や支援、訓練などを受ける場
- 重症心身障害児の入所施設は医療型と福祉型の二つに分類されている
- 沖縄の重症心身障害児の入所施設は数が少ないため、通所型施設で働きながらスキルアップしていくという選択肢もある
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